食養生における「五味」
「食養生」には「五味」「五性」「五色」という基本の考え方があります。
日頃からこの3つを意識していると栄養バランスだけでなく「五臓」の調子が整い健康が維持できるといわれています。
※五臓とは、体の働きを肝・心・脾・肺・腎の5つに分けたものです。
先月は「五色」をご紹介しましたので、今回は「五味」についてお伝えいたします。
五味とは、食材の味を「酸・甘・辛・苦・鹹(かん)」の5種類に分類したものです。
※食材によっては1つの味だけでなく、複数の味を持っているものもあります。
【酸(さん)味】肝に働く
・血流を良くし、肝機能を活発にする。
・汗や尿の出すぎや漏れ出るのを防ぐ。
・寝汗、下痢、頻尿に!
主な食材例:レモン、梅、あんず、ざくろ、ゆず(果肉)、酢 など
※摂り過ぎると、筋肉に力が入らなくなる、胃の不調、汗をかきにくくなる、便秘傾向になりやすい など
【苦(く)味】心に働く
・体内の余分な熱を冷ます。
・余分な湿、水分を取り去る。
主な食材例:ゴーヤ、ふきのとう、ごぼう、アロエ、菊花、コーヒー、緑茶 など
※摂りすぎると、肌の乾燥、冷え、体毛が抜けやすくなる、肺や大腸の不調がおこりやすくなる など
【甘(かん)味】脾に働く
・体力(気)不足を補い、胃腸虚弱体質の改善や慢性疲労に!
・痛み和らげる。
・精神の緊張を和らげる。
主な食材例:穀物、芋類、豆類、ハチミツ、なつめ、卵 など
※摂り過ぎると、体に締まりがなくなる、骨が弱くなる、だるさやむくみが生じる など
【辛(しん)味】肺に働く
・気血の巡りを良くする。
・発汗や血行を促進する。
・外邪・寒さを発散、風邪をひいたときなどに果的!
主な食材例:こしょう、唐辛子、ネギ、山椒 など
※摂りすぎると、痙攣がおこりやすくなる、乾燥、爪が割れやすくなる、怒りっぽくなる など
【鹹(かん)味=塩辛い味】腎に働く
・塊やしこりを柔らかくするので、リンパの腫れや便秘に効果的!
・潤し便通を良くする。
主な食材例:塩、のり、わかめ、貝類、昆布、なまこ、など
※摂りすぎると、下痢、動悸、血圧の上昇、むくみやすくなる など
五味にはそれぞれに働きがあり、関連する五臓の働きにも影響します。
『無性に〇〇が食べたい!』といった経験はありませんか?
「不調時に好む味」「改善をもたらす味」ともいわれますので、
五臓のいずれかに不調があると特定の味を欲するようになることもあります。
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