AMH値が低いとどんな問題がある?
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。
血液中のAMH値は、卵巣に残っている卵胞の数を推測し、卵巣予備能を評価するための指標の一つとして使われています。
「AMHが低いと言われました。妊娠するのは難しい、急いで体外受精をするしかないのでしょうか?」
AMHの結果を知り、妊活の先行きまで不安になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
卵巣予備能とは、卵巣に残っている卵胞の数を反映する概念ですが、卵子の質や妊娠する力そのものを表すものではありません。
AMHの値だけから、自然妊娠の可能性や妊娠できる時期を判断することもできません。
AMHが低いと、何が問題になる?
体外受精では、排卵誘発剤によって複数の卵胞を発育させて採卵しますから、AMHが低い場合、卵巣刺激に反応して発育する卵胞数が少なく、採卵できる卵子数も少なくなる傾向があります。
採卵数が少なければ、受精して胚へ進む数も限られるため、移植できる胚を得るまでに複数回の採卵が必要になることが想定されるのです。
さらに、年齢とともに卵子の染色体異常の頻度も上昇します。
AMHの結果を、漢方的理解
AMHは卵巣予備能を評価する医学的な検査です。
AMH値から、その方の体質を見極めることはできません。
漢方では、現在の症状や体質、これまでの経過を診ていきます。
たとえば、月経量が減り月経後の疲労が強ければ血虚、食欲が乏しく胃もたれや軟便が続けば脾虚、冷えや倦怠感などが重なれば腎虚という具合に、AMH値と直接関わりがあるものばかりではなく、状況も含め検討していきます。
治療への緊張が続き、月経前の不調や胸脇の張りなどがあれば肝気鬱滞、月経痛や経血の状態から瘀血を考える場合もあります。
さまざまな情報を四診によって集め、現在の「証」を見極めて治法を決めるのが漢方です。
補う必要があれば補法を用い、気血の滞りなどがあれば、その状態に応じた治法を選びます。
一陽館薬局では、AMHを漢方で上げることを目的にするのではなく、医学的な検査結果を踏まえながら、今の身体にどのような証があるのかを見極め、そのうえで、妊娠を迎えるための体の養いかたをご提案していきます。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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