妊活の舌診〜漢方でみる舌苔と体質〜
舌には苔(こけ)が付着することがあります。見た目が気になり、舌みがきで苔を除去されるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし舌苔には今の体調が表れていることから、漢方では大切な情報源となります。
今回は、妊娠しやすさ、妊娠しづらさに関係する舌苔の主なタイプについて、ご紹介します。
舌苔とは、舌の表面に付着する白っぽい付着物のことで、口の中の細菌や食べ物の残り、唾液などが関係して生じます。
健康な方にも見られる生理的なものです。
漢方では「舌」を大切な観察材料として受けとめており、舌そのものを「舌質」、舌の表面についた苔を「舌苔」として観察し、色、厚さ、潤い、つき方などを、生理の様子や体調と合わせて見ていきます。
ご自身の舌を意識されている方は、日によって様子が変わったり、誰でもこんな感じだろうと見慣れているというかたもおられるのではないでしょうか。
白い舌苔が厚くなっているとき
健康な舌にも薄い白苔は見られます。
それが厚くなり、舌を覆うようについている場合、漢方では「湿」や「痰湿」を考える材料になります。
たとえば、食後に胃が重い、身体が重だるい、むくみやすい、便がすっきりしないといった状態が重なっていれば、胃腸の働きや水分代謝について注目していきます。
漢方では、食べたものを体がどのように受け取り、消化し栄養を作り出すかも「妊活の入口」と位置づけます。
黄色い舌苔から考える「熱」
舌苔が黄色く見える場合には、漢方では「熱」と受けとめます。
口の苦さ、便の硬さ、尿の色、ほてりなどが重なっている場合は、「湿熱」となり、不調の要因として対策を考えなどの病機を考えます。
妊活中は、もともとの体質だけでなく、仕事や治療への緊張が続き、睡眠や食事の状態が乱れることもあります。
その影響が体にどう表れているのかを、舌と体調の両方から確認していきます。
舌苔が少ないとき
反対に、舌苔が非常に少ない、あるいはほとんど見られない場合は、体を潤す陰液や血の不足ととらえます。
月経量が少ない、乾燥が気になる、ほてりや寝汗があるなどがある場合は、陰血のバランスを合わせて確認していきます。
もちろん、舌苔の状態だけで体質を決めるわけではなく、食事、睡眠、口腔内の状態、水分摂取、服薬などでも舌は変化しますから、舌質と舌苔を観察しながら、生理や体の冷え、疲労、食欲、便通、生活習慣などを合わせて判断します。
漢方では、目に見える舌の状態を一つの情報源として、からだ全体の状態を推察していきます。
舌苔を「取る」前に、一度見てみる
舌苔が気になると、舌ブラシで取りたくなるかもしれません。
口腔内を清潔に保つことは大切ですが、舌を強くこすると粘膜を傷めることがありますから注意しましょう。
妊活習慣として、朝の舌を軽く観察してみると、ご自身の体調を知るための一つの手がかりになります。
いつもより苔が厚い、黄色みがある、舌が乾いているなど、いつもとの違いに気づいたら、その頃の食事や睡眠、疲労、月経の状態を振り返るきっかけになると思います。
一陽館薬局では、さまざまなご様子から、お客さまの妊活を漢方でサポートします。
「舌苔が気になる」という小さな疑問から、「体づくり」が始まることもあります。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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