AMHが上がったのは、漢方のおかげ?〜「卵が増えた」では説明できない現実〜
「今回の採卵は、久しぶりに2個とれました。しかもAMHが0.1から0.6に上がっていて。少し希望がつながった気がして、心が救われました。」
・・・そんな嬉しいご報告をいただきました。
AMHは、妊活中の方にとって大切な情報の一つであり、数値が低いと言われると、
「次の採卵では、いくつ採れるのだろう」
「この先も妊活を続けていけるのだろうか」
と、不安の声も聞かれるものです。
AMHと「卵子の数」の見方
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣内で発育している小さな卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。
卵巣予備能を推測する指標の一つとして利用され、AMHが低い場合には、卵巣刺激を行った際の発育卵胞数が少なくなる傾向もありますが、卵子の質を評価する検査ではなく、自然妊娠や体外受精での妊娠の可能性を判断するものでもありませんし、測定法や個人差、卵胞の発育状態などによって数値が動くこともあります。
では、AMHが0.1から0.6になったとき、何が起きているのでしょうか。
卵が増えた?「卵胞の状態」に目を向けて
卵巣に存在する卵子は、基本的に年齢とともに減少していきます。
そのため、AMHが上昇したことを「卵子が新しく増えた」と捉えるより、AMHを分泌する発育途中の卵胞の状態に目を向けると理解されやすいかもしれません。
AMHの測定値には、その時点の卵胞発育や卵巣の状態が反映されることもありますから、AMHの数字と一緒に、卵胞の育ち方や採卵結果、月経周期などを確認していくことが大切です。
漢方でのとらえ方は「卵巣だけ」ではない
漢方では、卵巣の数値を身体全体の状態と関連づけて考察します。
疲れが抜けにくい。
月経のたびにぐったりする。
睡眠が浅い。
食欲や胃腸の調子が安定しない。
冷えやほてりがある。
仕事や家庭の負担が続いている。
さまざまな状態が重なることで、お体に本来備わっている生理機能にも影響すると考えます。
漢方では、精・気・血・津液の生成と消耗、臓腑の機能、気血の運行などを組み合わせてお体全体を見ます。
慢性的な疲労や食欲低下が目立つ場合には気血不足。
長期的な消耗と生殖機能の弱りがあれば腎虚。
ストレスが強く、気機の鬱滞が月経や睡眠にも及んでいれば肝気鬱結。
同じ「AMHが低い」という結果でも、おかれている状況によって着目するポイントは変わります。
AMHと一緒に確認したいこと
「AMHが上がった」のは結果であり、「卵胞が育つ体の状態」が反映されたものと考えられます。
もちろん、一つの事例から、漢方によるAMH上昇の因果関係を証明することはできません。
それでも、AMHの数字を見て「もう下がるしかない」と考えるのではなく、今の体の状態を知り、次の一歩を考えるきっかけにすることに意味があるのではないでしょうか。
「AMHが低い」と言われた方へ
AMHの数字を見て、不安になったとき。
採卵しても卵子が少なかったとき。
次の採卵までに、自分にできることを知りたいとき。
そんな段階からのご相談も、一陽館薬局では大切にしています。
これまでの検査結果や治療経過、生理周期や基礎体温のほか、睡眠、食欲、疲労などについても一つずつ伺い、今できることを一緒に考え整理していきます。
「漢方を始めたほうがいいのかな?」
「私の身体には何が必要なのかな?」
まだ答えが決まっていなくても大丈夫です。
数字だけを見て一人で悩む前に、今の身体について一度話してみませんか。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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