遺残卵胞は、”たまたま”ではない
採卵を予定していたのに、生理が来ない、来たと思ったら経血量が少ない・・何か変な気がしつつ診察を受けると、まだ生理期間のはずなのに、すでに15ミリの卵胞が?!
どうやら「遺残卵胞」らしいとのことです。
年齢的に急ぎたいのに、足留めとなっているようで、
「このまま排卵できなくなるのでは?」
「生理が来なくなったらどうしよう・・」と不安になりご相談いただくことがあります。
特に不妊治療中は、採卵や排卵誘発の影響も重なり、遺残卵胞を経験される方がおられます。
「遺残卵胞」がある周期では、体の中で何が起きているのでしょうか。
本来、卵胞は月経周期の中で成熟し、排卵を迎えると卵子を放出します。
その後は黄体へと変化し、役目を終えていきます。
しかし何らかの理由で排卵がうまく起こらないと、卵胞が卵巣内に残り続けることがあります。
これが「遺残卵胞」と呼ばれる状態です。
超音波検査では、本来なら小さくなっていくはずの卵胞が、そのまま卵巣内に存在していることが確認されます。
遺残卵胞がある周期では、基礎体温が不安定になったり、生理予定日がずれ込むことがあります。
また、次の卵胞発育に影響し、排卵のタイミングが乱れやすくなることもあります。
特に不妊治療中だと、
「今周期は移植できるのか」
「採卵に影響するのか」
と心配になる場面も多いかもしれません。
実際には、自然に吸収されて次周期には改善するケースもありますが、繰り返し遺残卵胞が起こる場合には、卵巣機能やホルモンバランスの乱れを含めて考えていく必要があります。
遺残卵胞には、さまざまな要因があります。
排卵に必要なLHサージが十分に起こらなかった場合や、黄体化の流れがうまく進まなかった場合、卵胞は排卵できずに残ってしまいます。
また、不妊治療で使用する排卵誘発剤の影響も関係します。
本来であれば、ひとつの卵胞が排卵へ向かう過程で、他の卵胞は自然に退縮していきますが、誘発刺激が加わることで、「ある程度育ったけれど排卵までは至らない卵胞」が残りやすくなってしまいます。
さらに、加齢による卵巣機能の低下や睡眠不足や精神的ストレス、慢性的な疲労なども、視床下部-下垂体-卵巣系の働きに影響を与え、排卵リズムを乱す一因になります。
漢方では、遺残卵胞を単に「卵胞が残っている状態」とだけ捉えるのではなく、なぜ排卵がうまく完了できなかったのかに注目します。
特に重要になるのが「腎」の働きです。
漢方でいう腎は、生殖力や成長、老化と深く関係する存在です。腎の力が不足すると、卵胞をしっかり育て、排卵へ導く力も低下しやすくなります。
また、卵胞が停滞するには、「瘀血」や「痰湿」といった巡りの悪さが関係していることもあります。
瘀血は血流停滞、痰湿は余分な水分代謝の乱れを意味し、これらがあると骨盤内の循環やホルモン活動にも影響を及ぼします。
そのため一陽館薬局では、
・卵巣機能を支える「補腎」
・骨盤内の血流改善を図る「活血化瘀」
・余分な停滞を取り除く「化痰利湿」
・ストレスによる気の巡りの乱れを整える調整
などを、お一人おひとりの体質や治療状況に合わせて考えていきます。
大切なのは、「自然に排卵できる力」を整えていくことです。
基礎体温の乱れ、生理周期の変化、排卵のズレ、下腹部の張り感など、小さな違和感の積み重ねが影響していることがあります。
気になることが続く場合は、どうぞ早めにご相談ください。
一陽館薬局では、不妊治療と並行しながら、妊娠しやすい体づくりを一緒に考えております。




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