<卵子凍結>全国で353人2699個の未受精卵が保存中(毎日新聞 5月2日) より
未婚や仕事を続けるためなど、社会的な理由で卵子を凍結保存し将来的な妊娠・出産に備えている女性が、全国で少なくとも353人に上り、2699個の未受精卵が凍結保存されていることが、毎日新聞の調査で分かった。
日本生殖医学会は2013年、対象は成人女性で本人の生殖以外は使用できない▽40歳以上の採卵と、45歳以上の使用は推奨できない▽医療技術のリスクの説明と同意--などの条件を付けた指針を示して、社会的卵子凍結を容認。
一方、日産婦は妊娠率の低さなどから「推奨しない」としている。女性が凍結を希望する主な理由(複数回答)を尋ねたところ、「パートナーが見つからないため」、「仕事を優先するため」など。
いずれも、大都市で進む、キャリアアップを志向する女性の増加や長時間労働による出会いの制約など、働き方の変化による晩婚化、晩産化が影響しているとみられる。また、全体の71.9%(64施設)が「少子化対策に役立たない」と回答した。
主な理由は「不妊治療の開始を遅らせる」「体外受精で出産する確率が低い」などだった。「卵活」として注目される社会的卵子凍結は、一般に卵子の機能低下(老化)を止める手段と受け止められているが、凍結卵子を使った体外受精の妊娠率は10%にとどまり、安全性や技術面での課題も指摘される。
凍結保存の是非について医療機関の見解は「高齢出産はリスクが高い。早めの出産がより健全だ」(東京都の国立成育医療研究センター)との慎重な意見が多い一方、「自分の卵子を凍結保存し、自分に移植するだけの話だ」(大阪市のオーク住吉産婦人科)と積極的に進める施設もあった。凍結保存は長期間に及ぶため民間施設が最後まで管理できるのかといった課題も残る。
大阪の医療施設は「施設が倒産したら卵子が『宙』に浮き、無責任状態にならないとも限らない」と危惧する。
(毎日新聞 5月2日(土)配信)
妊娠は、「いつでも」「確実に」できるものではないといえます。
女性だけの問題ではなく、パートナーや家族関係といった事情にも影響し合います。
不妊治療や生殖医療の発展が、本当に必要とされる人の喜びのつながるものであってほしいと思います。
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