髪は「血の余り」~生理とつなぐ『血』の話~
漢方には、『髪は「血の余り」』という言葉があります。
今回は、「血」をキーワードにつながる「髪」という観点から体質タイプを見ていきたいと思います。
「最近、抜け毛が増えた気がする」
「髪が細くなって、以前よりボリュームがなくなった」
というお声が聞かれることがあります。
一般的に、髪の変化は、美容の問題として捉えられがちかもしれません。
漢方には、「髪は血余(けつよ)」という言葉があります。
身体を養う「血」が十分に充実し、その余力が髪まで届いている状態を表す言葉です。
「血」は髪だけでなく、女性の体を養う
漢方でいう「血」は、全身を滋養する働きを含んだ概念です。
女性は生理によって毎月「血」を消耗すると考えるため、月経量や経血の状態は、血の状態を把握する情報になります。
たとえば、以前より経血量が減った、生理が来ると体調を崩す、疲労感が強い、肌や髪が乾燥する、髪が細くなってきた・・このような様子がいくつか重なる場合、漢方では「血虚」という体質にあたると考えます。
また、経血に血塊が多い、生理痛が強い、経血の色が暗いといった場合には、血の滞りである「瘀血」タイプに当てはまります。
なぜ「血」が妊活と関係するのか
妊娠には卵巣や子宮があればいい、というわけではなく、体が十分に妊娠を迎え入れる状態に整っているか、が大切なことです。
つまり、血虚があれば血を養い、瘀血があればその滞りを解決することを基本とします。
さらに、食事から体を養う脾(=消化機能)、気(=自律神経)の働き、腎(=生命力の源)の状態なども組み合わせて全体像から判断します。
髪の変化をきっかけに生理や食事、睡眠、疲労やストレスまで見直し、”体を養う力”が足りているかを考えてみます。
髪の変化を、身体を見直すきっかけに
出産後や無理なダイエット、強い疲労、睡眠不足などをきっかけに抜け毛が気になる方もいらっしゃると思います。
このようなときには、髪だけをケアしようとするのではなく、生理、食欲、睡眠、疲労などにも意識を向けてみてください。
「髪は血余」
この古くからの漢方のおしえは、髪の美しさだけをとらえるものではなく、体を充たす「血」が隅々まで巡っているかを知る手がかりになります。
「抜け毛」の要因は一つとは限りませんが、ご自身の体調を見直すきっかけにしみてください。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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