精子力はなぜ弱る?~妊活で知っておきたい男性の身体と漢方
近年は、かなりオープンになった「妊活」ですが、同時にデリケートな課題に「男性力」があげられます。
精子の状態は年齢による?」
精子は毎日つくられています。
けれど、つくられる場所である精巣の環境が乱れれば、精子の数や運動性、形態などにも影響が及びます。
たとえば、仕事の忙しさ、睡眠不足、飲酒、喫煙、運動不足、肥満、強いストレスなどが重なると、精子をつくる環境に負担がかかります。
漢方では、このような生活要因を含めて「精子そのもの」だけで捉えず、体調全体から考えていきます。
漢方で男性の生殖機能を見る「腎」
漢方でいう「腎」は、医学的な「腎臓」そのものに加え成長、発育、老化、生殖など、生命活動の根本に関わる働きを含む漢方独自の概念です。
精子の形成や生殖機能の衰えを考えるときには、この「腎」の状態を中心に、体調や生活習慣と合わせて見ていきます。
仕事で長期間無理を重ね、睡眠も十分に取れない状態が続いている男性と、食欲が落ちて体重が減っている男性では、同じ「精子の運動率が低い」という結果でも、漢方での整えかたは少し変わります。
「疲れている」ことと精子の関係
男性の妊活では、精液検査の数値だけを見て終わるのではなく、そこに至る要因を見ることが重要です。
・睡眠不足が続いている。
+仕事で長時間座っている。
・運動する時間がほとんどない。
・食事が不規則になっている。
・お酒を飲む機会が多い。
・強いストレスが続いている。
体調を左右するライフスタイルが長期間続けば、当然、体全体のコンディションにも影響します。
とくに精巣は熱に弱い性質がありますから、長時間の高温環境や、精巣周辺の温度が上がりやすい生活習慣についても注意が必要です。
妊活では女性側に意識が集中しやすいものですが、精子もまた、男性の体の中で日々つくられています。
そういった点から「精子の数値をどう上げるか」に直結する解決策を特定するのは難しいのかもしれません。
漢方相談では、
「精子がつくられる体をどう整えるか」という考え方を大切にして要因を見つけていきます。
食欲がなく、胃腸が弱っているなら「脾」。
ストレスが強く、気持ちが張り詰めているなら「肝」。
疲労が続き、気力も体力も落ちているなら「気」。
血色が悪く、食事量も少なく、十分に体を養う物質が足りていないなら「血」。
そして、生殖機能を考えるうえで「腎」の状態を推し測る。
精液検査の結果は、その時点での状態を知る大切な情報となりますが、数値に一喜一憂するよりも、体づくりの方向性を考えるきっかけとしても役立ちます。
ご自身の工夫で変わることと漢方の作用で体質改善することをうまく組み合わせて、これからつくられる精子を元気にしていきましょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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