夏に注意したい「血」の話
夏になると、いつもと同じ生活をしているのに疲れやすい。
食欲が落ちる。月経のあとに身体が重い。
“体力切れ”を自覚される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
漢方では、夏の身体を考えるときに「気」や「津液(水分)」だけでなく、「血」の状態を重要視します。
特に妊活中は、毎月の月経によって血を消耗します。
そこへ暑さによる発汗、食欲低下、睡眠不足などが重なると、身体を養うための材料が不足しやすくなります。
漢方でいう「血」とは
漢方の「血」は、体の各所を滋養し、皮膚や筋肉、臓腑などを養う働きまで含めます。
妊娠を考える女性にとっては、生理を支え、子宮や卵巣など生殖機能にも関わる重要な存在です。
ですから、漢方的な見方では、月経量が少なくなった、生理後の疲労感、肌や髪が乾燥する、爪がもろくなるといった状態を栄養(材料)不足=「血虚」ととらえます。
夏は「血」が不足しやすい条件が重なる
夏に特に気をつけたいのが、食事です。
暑くなると、のど越しのよい、さっぱりしたものを選ぶ機会が増え、肉や魚、卵、大豆製品など、体をつくるたんぱく質や鉄を含む食品の摂取量が減り、血をつくる材料も不足しやすくなります。
さらに、冷たい飲食物を重ねて胃腸への負担が増え、調子を崩すと、食べたものから気血を生み出す働きを弱らせてしまいます。
夏の「血」を考えるときには、今の血そのものについてと、血をつくる食事、受け入れる胃腸の状態まで、つながりごと見ていく必要があります。
「血」の消耗を意識する
月経では、毎周期血液を排出しています。
もともと月経量が多い方や、月経期間が長い方では、鉄を含めた血液成分の消耗にも注意が必要です。
漢方では、血を養う「肝」、食事から気血を生み出す「脾」、生殖機能との関係が深い「腎」など、それぞれの働きを関連づけて身体を見ていきます。
例えば、月経量が少なく疲れやすい方と、月経量は多いけれど身体に熱感があり寝つきが悪い方では、同じ「血」の問題でも漢方での捉え方は変わります。
ここに、漢方相談の意味があります。
妊活では、排卵日や月経周期だけを追いかけるのではなく、日々の過ごしかたも大切です。
夏に月経後の疲れが強くなった。
食欲が落ちた。
冷たいものを摂りすぎる。
以前より眠りが浅くなった。
夏の疲れを次の季節に持ち越さないようサポートするのも「体づくり」といえます。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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