着床についてできる漢方的サポート
体外受精を受ける人の割合は、妊活全体で見るとどんどん高くなっているようですが、現実は何回もチャレンジされたり、タイムアウトになってしまう方もおられます。
今回は、治療を進める中で、着床について漢方的見解をご案内したいと思います。
着床をうけとめる体を、漢方ではどう考える?
「胚はきれいに育ったのに、着床しなかった」
「移植を何度か受けているけれど、妊娠につながらない」
体外受精では、採卵した卵子が受精したか、胚がどのように分割していくかを確認できます。
自然妊娠では見えにくい過程を確認できることは、体外受精の大きな特徴です。
しかし、形態の評価が良好な胚を移植しても、妊娠に至る確率は100%には届きません。
「受精して、胚も育った。その先にある着床には、何が関係しているのだろう」
そこから、ご自身の身体について考え始める方もおられます。
着床には、胚の発育能力、子宮内膜、ホルモン環境、子宮の状態、母体側のさまざまな要素が関係します。
そして漢方では、着床を子宮だけの問題として捉えず、身体全体の状態から考えていきます。
着床は「胚」と「子宮」から
着床には、胚側と子宮側の双方が関係します。
胚については、形態や分割の状態が重要な情報になります。
ただし、胚の外見から染色体の状態まで判断することはできません。
女性の年齢が上がるにつれて、卵子の染色体分離異常が増え、それに伴って染色体数の異常をもつ胚も増加することが知られています。
また、子宮側では、子宮内膜が適切に増殖し、排卵後にプロゲステロンの作用を受けながら、胚を受け入れる状態へ準備されることが重要です。
子宮内膜ポリープ、粘膜下子宮筋腫、子宮腔内癒着、子宮内膜症、子宮腺筋症など、子宮の状態が妊娠に影響する場合もあります。
このような医学的な評価に加えて、漢方では母体側の身体をどのように整えるかを考えます。
漢方では「血(=けつ)」の状態から身体をみる
漢方で妊活を考えるとき、重要な要素の一つが「血」です。
漢方における血は、身体を滋養する働きを含む概念です。
月経量、経血の状態、生理痛、顔色、皮膚や髪の状態、疲労感などを合わせ、身体を十分に養えるだけの血が足りているかを見ていきます。
経血量が少ない、生理後の疲労感、顔色が淡いなどの状態からは「血虚」、生理痛が強い、経血に塊がある、経血の色が暗いなどの特徴からは「瘀血」を考えます。
同じ「着床に向けて身体を整えたい」という相談でも、血虚が中心なのか、瘀血が関係しているのか、それとも気の不足や脾胃の弱りが中心なのかによって、漢方の適性は異なります。
「気・脾胃・腎」から生殖機能を支える
漢方では「気」も重要です。
気には身体の働きを支え、血を巡らせ、臓腑の機能を維持する働きがあります。
食事が十分に摂れない、食後に疲れやすい、胃腸の調子が崩れやすいといった状態では、食事から気血を生み出す「脾胃」に注目します。
また、妊活中は移植日が近づくほど緊張が強くなる方もおられます。
眠りが浅い、食欲が落ちる、胃が重い、胸が張る、イライラが強くなるなどの状態があれば、「肝」の疏泄や気の巡りについても整えます。
もう一つ、生殖機能を考えるうえでは「腎」も重要です。
腎は成長・発育や生殖に関わる働きを担うと考えられています。
年齢だけではなく、冷え、疲労、腰や膝のだるさ、生理周期などを合わせて見ていきます。
脾胃が気血を生み、肝が気血の巡りに関わり、腎が生殖機能のエネルギー源となる、といった身体のつながりを捉えることが、漢方による妊活相談の特徴です。
着床に向けて、漢方で目指すこと
漢方で目指すのは、着床という現象を直接操作することではなく、妊娠を迎える身体の状態を整えることです。
今の体には「補うこと」が必要なのか、「巡らせること」が必要なのか、「まず脾胃を整えること」が優先なのか、その方に合った順序も考えます。
着床は、胚の発育能力、子宮内膜、ホルモン環境、子宮の状態、母体側の身体など、複数の条件が関係する過程です。
一陽館薬局では、移植の回数や結果だけを見るのではなく、月経や体調、これまでの妊活の経過まで丁寧に伺い、その方の体質に合わせた漢方と体づくりを考えています。
「次の移植に向けて、自分の身体について一度整理したい」
そんなご相談からでも大丈夫です。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
【子宝薬局と不妊相談の一陽館薬局】
奈良市大宮町6-9-2
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