“着床しても育たない”の漢方的理解
妊娠反応は出たのに胎嚢が育たない、心拍が確認できない、あるいは心拍確認後に流産してしまう。
このような経験をされた方からご相談いただくことがあります。
着床は妊娠のゴールではなく、妊娠の始まりです。
受精卵は着床後も細胞分裂を繰り返し、胎盤を形成しながら成長を続けます。
その過程では、お母さんの体が妊娠を維持できる状態であることが欠かせません。
妊娠が継続できない原因として最も多いのは、受精卵の染色体異常です。
年齢にかかわらず一定の割合で起こる自然現象であり、漢方で防ぐことはできないものかもしれません。
ただ、着床しても妊娠が継続しないことを何度も経験されている場合は、受精卵以外の要因についても確認する必要があります。
例えば、
– 子宮内膜の成熟が十分ではない
– 子宮や卵巣の血流が低下している
– 黄体機能が十分に働いていない
– 慢性的な炎症や免疫機能の異常
– 甲状腺機能異常や糖代謝異常などの内科的疾患
などが妊娠の維持に影響することがあります。
漢方では、「着床しやすさ」だけではなく、「妊娠を維持する力」も大切に考えます。
妊娠を維持する力には「腎・気・血」の充実が関係します。
「腎虚」では、生殖機能や発育を支える力が低下しやすくなります。
「気虚」では、妊娠を維持するためのエネルギーが不足し、流産を繰り返しやすい傾向がみられます。
「血虚」や「瘀血」では、子宮や胎盤へ十分な栄養や酸素が届けられにくい状態と考えます。
実際には、一つの体質だけではなく、複数の要素が重なっていることも多く、お一人おひとりで状態は異なります。
流産を経験すると、「また同じことになったらどうしよう」と不安の声も聞かれます。
一陽館薬局では、月経の状態、基礎体温、冷え、疲労感、睡眠、胃腸の働きなどを詳しく確認し、その方の体質に合わせた漢方処方をご提案しています。
妊娠の本当の目標は、着床ではなく、赤ちゃんが順調に成長し、無事に出産を迎えることです。
そのためには、受精卵だけでなく、お母さん自身の妊娠を支える力にも目を向けることが重要でしょう。




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