生理不順に多い体質3タイプ
ご相談の中でも多い「生理不順」ですが、案外気にしていないかたもおられます。
漢方では、お一人おひとり異なる原因や体質を見極めた上で対処することを大切にします。
今回は、生理不順に多い体質を3つのタイプに分けてご紹介します。
そもそも「生理不順」とは?
正常な生理周期は、25〜38日とされています。
この範囲を外れる場合、あるいは毎月の周期がバラバラで安定しない場合を「生理不順(月経不順)」といいます。
生理不順は、妊活において見逃せない要因です。
排卵のタイミングが予測しにくくなるだけでなく、ホルモンバランスの乱れや子宮環境・卵巣機能の不足を示している場合があります。
早めに体質改善に取り組むことが、妊活の基本といえます。
①気滞(きたい)タイプ
→ストレスで乱れる生理
●こんな方に多いタイプです
生理周期が早まったり遅れたりと不安定
生理前にイライラしやすく、気分の浮き沈みが激しい
乳房や脇腹、下腹部が張って痛む
ため息が多い、喉のつかえ感がある
仕事や人間関係でストレスをためやすい
●体の内面的には何が起きているの?
漢方では、体の中を「気・血・水」の3つ要素が安定した巡りにより健康が保たれると考えています。
「気」とは、体を動かすエネルギーのようなもので、
気滞とは、この「気」の流れが滞った状態です。
ストレスや感情の抑圧が続くと、「肝」という臓腑の働きが乱れ、気の巡りが不安定になります。
気の流れが滞ると、血の流れにも影響が及び、生理周期も不安定になります。
ストレスにさらされ易い現代社会では、とくに多いタイプです。
●漢方的アプローチ
気滞タイプは、気の流れをスムーズにすること(疏肝理気:そかんりき)が基本です。
滞った気を動かし、肝の働きを整えることで、乱れた生理周期の回復を目指します。
あわせて、精神的な緊張をほぐし、感情の波を穏やかにするはたらきを持つ生薬を組み合わせることも重要です。
日常生活では、深呼吸やストレッチ、ゆったりとした入浴など、緊張をほぐす習慣を取り入れましょう。
香りのよいハーブティー(ジャスミン茶・ローズティーなど)も気の巡りを助けるとされています。
②血虚(けっきょ)タイプ
→血が不足した生理
●こんな方に多いタイプです
生理周期が遅れがち(40日以上になることも)
生理の量が少なく、色が薄い、期間が短い
顔色が白っぽく、唇や爪の色が淡い
立ちくらみ、動悸、疲れやすさがある
髪や肌が乾燥しやすい
細身で食が細い、または無理なダイエットをしたことがある
●体の内面的には何が起きているの?
血虚とは、「血(けつ)」が不足している状態です。
漢方における「血」は、西洋医学でいう血液に近い概念ですが、全身の細胞や組織に栄養・潤いを届けるはたらきを持つものと考えます。
血が不足すると、子宮や卵巣に十分な栄養が届かなくなり、卵子の質の低下や子宮内膜が育ちにくい状態につながります。
また、ホルモンを産生・調節する力も低下するため、生理周期が長くなったり、生理そのものが来なくなったりすることがあります。
無理なダイエット、過労、睡眠不足、偏食などが血虚を招く原因として挙げられます。
●漢方的アプローチ
血虚タイプには、血を補うこと(補血:ほけつ)が基本です。
血を生み出す力を高める生薬と、血を全身に巡らせる生薬を組み合わせることで、子宮・卵巣への栄養供給を回復させることを目指します。
また、消化吸収の要である「脾」の機能を整えることも、血虚改善の重要なポイントです。
血はそもそも食事から作られるものなので、脾が弱ければいくら食べても血に変換されにくいからです。
食事では、赤身肉・レバー・ほうれん草・黒豆・なつめ・クコの実・黒ごまなど、血を補うとされる食材を積極的に取り入れましょう。
冷たいものや生ものの摂り過ぎには注意が必要です。
③腎虚(じんきょ)タイプ
→生命力の低下による生理
●こんな方に多いタイプです
生理周期が不安定、または無月経になりやすい
生理の量が少なく、だんだん減ってきた
腰やひざに冷えやだるさを感じる
夜間に頻尿になる、または尿が近い
耳鳴り、白髪、抜け毛が気になる
疲労感が強く、基礎体温が全体的に低め
35歳以降で妊活をしている方
●体の内面的には何が起きているの?
漢方における「腎」は、西洋医学の腎臓の概念に加え、生命エネルギーの貯蔵庫として、生殖・発育・老化に深く関わる臓腑です。
生まれつき両親から受け継いだ「先天の精」と、食事から補われる「後天の精」によって腎の力は保たれています。
腎虚とは、この腎の精気が不足した状態です。
加齢とともに進行しやすいですが、過労・夜更かし・慢性的なストレス・冷えなどによって若い方にも起こります。
卵巣機能や子宮の環境は腎の力に強く依存するため、腎虚が進むと卵子の質の低下や卵巣予備能の低下(AMH値の低下)、排卵障害などを引き起こすことがあります。
妊活において、腎虚のケアは欠かせないテーマのひとつです。
●漢方的アプローチ
腎虚タイプには、腎を補い生命力を高めること(補腎:ほじん)が基本です。
腎の陰(=潤い・物質的な精気)が不足しているのか、腎の陽(=温める力・機能的な精気)が不足しているのかによって、用いる生薬の方向性が変わります。
体に熱感やほてりがある方は「腎陰虚」、冷えが強く体力が低下している方は「腎陽虚」の傾向があり、それぞれに合ったアプローチが必要です。
腎は「冷え」と「疲弊」によってとくに働きが弱ります。
下半身を冷やさない生活習慣(腹巻き・レッグウォーマー・足湯など)や、十分な睡眠が回復の基本となります。
食事では、黒い食材(黒豆・黒ごま・黒きくらげ・海藻類)や、えび・くるみ・やまいもなどが腎を養うとされています。
◎複数のタイプが重なることも
実際のご相談では、気滞+血虚、血虚+腎虚など、複数のタイプが組み合わさっている方も多くいらっしゃいます。
また、同じ「生理不順」でも、その方の年齢・体格・生活習慣・冷えの有無などによってアプローチは異なります。
漢方は、その人全体をとらえます。
生理不順の改善には、症状だけを見るのではなく、体全体のバランスを整えることが大切です。
生理不順は「たいしたことない」と放置されがちですが、妊活においては体からの大切なポイントです。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの体質に合わせた漢方ケアをご提案します。
一陽館薬局では、妊活・不妊に関するご相談を随時承っております。オンライン相談も対応していますので、お気軽にお声がけください。
blockquote>妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。




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