漢方薬の選び方
「当帰芍薬散」や「温経湯」など婦人科系の代表処方は、病院でも、不妊治療以外の場面でも処方されていますし、一般医薬品としてドラッグストアなどでも見かけますね。
「冷え」「生理痛」「生理不順」など同じような効能効果が表示されていますが、実は同じ表示でも体質的な特性はまったく異なることがあります。
たとえば、当帰芍薬散が対象とする冷え性と温経湯が対象とする冷え性はタイプが違うので、「冷え性」をキーワードに選んでしまうとその人の本当の冷えの原因に作用することができず、結果、冷え性も改善されないということになります。
また「冷える」のも、体のどの部位がどのようなときに冷えるのか、ということも漢方薬を選ぶ条件のひとつです。
ですから、女性であれば、効能効果に記載があれば、とりあえず当帰芍薬散・・ではなく、改善したい症状と原因を合わせて選ぶと、漢方薬はとても心地よく作用するものだと思います。
病院では保険診療のため、効能効果の表示に基づいて処方されますが、私たちは、原因や状況を時間をかけて詳しく掘り下げて、お客さまに最適な処方にたどり着きます。
もし、漢方薬を服用しているが効果を感じない、という方がいらっしゃるなら、ある側面だけに注目して漢方薬を選ばれているのかもしれません。
漢方薬は飲んでいただき、体に作用するものです。
飲んだものの影響が全くない、ということはありえません。
じっくりご相談いただき、きっちりと漢方を効かせていただきたいと思います。
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