流産後の体づくり〜妊娠する力があっても、なぜ維持できない?〜
妊娠することはできたのに、維持できず流産してしまった時、「なぜ続かなかったのだろう」という思いご相談いただくことがあります。
妊娠初期流産の多くは、胚の染色体異常など偶発的な要因によって起こるとされ、流産を繰り返す場合には、子宮の形態異常、抗リン脂質抗体症候群、甲状腺機能異常、糖代謝異常、遺伝的要因などについて検査なども検討されるようです。
必要な検査や治療を受けることを前提に、今回は「流産の原因」を掘り下げるのではなく、流産後の体がどのような状態にあるのかを漢方理論からご案内していきます。
流産後は「血」の状態を丁寧に見る
流産では出血や処置などによって体に負担がかかる場合があります。
月経量の減少、顔色の淡さ、めまい、動悸、疲労などが重なって見受けられれば、漢方では血虚を考えます。
また、下腹部の固定した痛み、血塊、経血色の暗さなどが目立つ場合には、瘀血も検討し、場合によっては食欲低下、胃腸の弱り、食後のだるさなどがあれば、血を生み出す脾=胃腸の運化機能も関連していることもあります。
何を補い、何を動かすか
漢方では、脾は飲食物から気血を生み出す「後天の本」、腎は生命活動や生殖に深く関わる「先天の本」と捉えます。
・流産後から疲れやすく、食欲も落ち、月経量が減っている場合には、まず脾胃の状態を確認する。
・冷えや腰膝のだるさ、頻尿などが重なれば、腎の状態も含めて考える。
・脾胃から気血を生み、腎との関係を見ながら身体全体を整える。
これが流産後の漢方による体づくりのポイントです。
「妊娠できたのに続かなかった」を、体づくりの入口に
漢方では「妊娠できる力」と「維持する力」を別々に捉えるのではなく、次の妊娠を迎える時点で、母体がどのような状態にあるかを丁寧に見ていくことが大切だと考えます。
妊娠成立と妊娠継続には、胚の染色体、子宮環境、内分泌・代謝、免疫・血栓性因子など、複数の要素が関係します。
流産後の生理や経血、食欲や便通、疲労感や気力、冷えや痛みなどから妊娠前との違いや流産の影響を見極めることが体づくりのヒントになります。
一陽館薬局では、流産後の心身のバランスを大切にしながら次の妊娠に向けた体づくりを漢方でご案内します。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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