太っていると妊娠できませんか?〜肥満と妊娠率を漢方で考える〜
妊娠の前にもう少し痩せてから来てください・・とかなりキツい言葉を投げかけられると、妊娠そのものが憎らしいことに感じられるほど、ショックでした・・
「太っていると、妊娠できませんか?」
というご相談をいただくことがあります。
結論から言えば、肥満は妊娠を目指すうえで不利な要因の一つです。
BMI30以上の女性では、妊娠までに時間がかかりやすく、排卵障害も増えることが知られており、医学的ガイドラインでも、BMI30以上の女性は妊娠まで時間がかかりやすく、排卵していない場合には減量によって妊娠の可能性が高まるとされているようです。
また、肥満女性では不妊治療における卵巣刺激への反応が低下し、採卵数が少なくなる傾向や、体外受精での妊娠率・出生率が低下する傾向も報告されています。
ですから、妊活において「体重は関係ない」とは言えないのが現実です。
どうやって身体を整えていくのか
体脂肪が過剰になると、インスリン抵抗性や性ホルモンの代謝、慢性的な炎症などを介して、排卵機能や生殖機能に影響することがあります。
特に多嚢胞性卵巣症候群PCOSでは、インスリン抵抗性と排卵障害が関連するケースも見られます。
食後に眠くなる、身体が重い、むくみやすい、便通がすっきりしない、甘いものが欲しくなる・・などの状態が続くと、脾の運化機能が低下し、水湿が停滞して痰湿を形成している状態が考えられます。
また、ストレスが強く、食欲や月経前の状態まで乱れている場合には、肝気鬱結から気滞が生じ、さらに痰湿へとつながる場合もあります。
やはり、同じ「BMIが高い」という状態でも、身体の中で起きていることは一人ひとり違う、というのが漢方の理論です。
「痩せる」ことを妊娠の準備に変える
肥満があり、排卵障害を伴う場合には、適切な減量によって排卵や自然妊娠の可能性が改善することがあるとされますが、妊活中の減量は、必要な栄養まで削れば、身体を養う材料の不足につながります。
漢方では、単純に体重を落とすことよりも、「何が余っていて、何が不足しているのか」に着目します。
・食べたものを適切に処理できているのか。
・余分な水湿や痰湿が停滞しているのか。
・気の巡りが滞っているのか。
・冷えによって代謝機能が低下しているのか。
状態に応じて、補う治法と取り除く治法を組み合わせていきます。
一陽館薬局では、体重だけで判断せず、月経、排卵、食欲、消化、便通、むくみ、冷え、疲労、睡眠などを丁寧に伺いながら、その方に必要な漢方と生活の整え方を考えています。
「痩せるため」から一歩進んで、妊娠を目指すための体づくりとして減量を考えるという視点に立って、漢方専門薬局の立場からご提案できることがあります。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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