夏の体質別妊活注意点 ~血虚(けっきょ)~
夏は、貧血傾向になるかたも多く、特に漢方では「血虚(けっきょ)」体質としてとりあげます。
「夏になるとめまいや立ちくらみが増える」
「疲れやすく、顔色が冴えない」
「生理の量が少なくなってきた」
思い当たるかたは血虚の傾向かもしれません。
血虚は、妊活中の女性によくみられる体質の一つです。特に夏は、暑さによる食欲低下や睡眠不足、体力の消耗が重なり、血虚が起こりやすい季節でもあります。
夏は「血」を養いにくい季節
漢方では、「血」は全身に栄養とうるおいを届け、子宮や卵巣を養う大切な存在と考えます。
しかし夏は、
* 暑さによる食欲低下
* 冷たい飲食の摂り過ぎ
* 胃腸機能の低下
* 睡眠不足
* 慢性的な疲労
などによって、血をつくる力が弱りやすくなります。
漢方では、食べたものを消化・吸収し、血を生み出す働きは「脾」が担うと考えます。
夏に脾の働きが弱ることで、十分な血を養えなくなることが考ええられます。
#血虚体質に見られる不妊の特徴
漢方では、「血」は子宮や卵巣を養い、月経や妊娠を支える基礎になると考えます。
血虚では、このような傾向がみられます。
* 月経量が少ない
* 子宮内膜が十分に厚くなりにくい傾向がある
* 排卵後の高温期が安定しにくい
* 採卵を繰り返し、体力が低下している
* 出産や流産後に体調が戻りにくい
もちろん、これらだけで血虚とは判断できませんが、月経量の減少や慢性的な疲労が続く方では、血虚を伴うケースが見受けられます。
血虚体質の特徴
一般的にみられる血虚の特徴を挙げます。
* 顔色が白っぽい
* めまいや立ちくらみがある
* 動悸がしやすい
* 爪が割れやすい
* 髪が細く抜けやすい
* 肌が乾燥しやすい
* 不眠や夢をよく見る
* 月経量が少ない
複数当てはまる場合は、”血を養う体づくり”が大切になります。
妊活との関係
漢方では、「血」が十分にあることで子宮内膜や卵巣が養われ、妊娠しやすい環境が整うと考えます。
医学的にも、鉄欠乏や栄養不足、慢性的な疲労は健康状態に影響を及ぼすため、必要に応じて貧血やフェリチン値などを確認することも大切です。
なお、血虚は必ずしも医学的な貧血と一致するものではなく、漢方独自の体質概念です。
そのため、検査で異常がなくても、ご相談を通じて「血虚」と判別される場合があります。
夏に気をつけたい生活習慣
血虚体質の方は、「血を消耗し過ぎないこと」と「血を養うこと」の両方が必要です。
特に気を付けたい”消耗”
* 朝食を抜く
* 冷たい飲食ばかり摂る
* 睡眠不足
* 過労
* 極端なダイエット
意識したい”養う”こと
* 栄養バランスの良い食事
* 良質なたんぱく質や鉄を含む食品を意識する
* 十分な睡眠
* 胃腸をいたわる食生活
漢方で「血を増やす」には
「血虚」には「補血薬」が基本となりますが、そのかたにより、気虚や腎虚、瘀血、気滞などを伴うこともあります。
血をつくる力が弱いのか、血の巡りが悪いのか、それとも腎の働きが低下しているのか。
原因を見極めながら体質全体を整えることが、妊娠しやすい体づくりでは大切です。
同じ血虚体質でも、お一人おひとりに必要とされる漢方薬を適切に選ぶことで効率良く改善を目指しましょう。
まとめ
夏は食欲低下や睡眠不足、胃腸機能の低下によって「血」を養いことが難しい季節です。
月経量が少ない、疲れやすい、めまいや肌の乾燥が気になる方は、血虚が関係していることも視野におきながら、夏の暑さ対策だけでなく、血を養う生活を意識していきましょう。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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