基礎体温が高くても冷え性⁉
基礎体温が高いと、身体は温かいと思われますが、ご本人は寒がりでいつも体の冷えを感じているというアンバランスな状態の方があります。
その訳は、漢方的に陰陽のバランスから理解できます。
体質的には「陽虚」といって、身体活動に必要なエネルギーである「陽」が足りない状態です。
そこに不妊治療を受けたとしたら、排卵誘発剤で強い刺激を与え多くの卵胞を成長させる際に、卵胞の発育に不可欠な栄養分である「陰」が消耗された「陰虚」という状態に傾いていきます。
「陰虚」になると、体内の必要な水分が足りていないため、余剰な熱を調和することができなくなり、さらに陰虚熱が生じることにつながります。
加えて、黄体ホルモン剤の高温を維持する作用により、さらに身体に熱がこもることになり、基礎体温が高くなったと考えられます。
体質的な陽虚プラス余剰な陰虚熱が同居している状態です。
陰虚熱というものは、身体が必要とする熱ではなく、ほてり、寝汗、不眠やイライラ感を引き起こす原因になります。
良質な卵子が育つには、栄養や潤いの「陰」と、元気や発育のエネルギーである「陽」のバランスが保たれていることが必要なのです。
更年期が近くなり、ホルモンバランスが変化し始めたり、またはFSH高値などの場合にも、同じような状態がみられます。
気になる様子がある場合は、できるだけ早くご相談いただきたいと思います。
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