卵子・内膜・基礎体温に表れる?妊活と「陰虚」の関係
今回、「陰虚」というテーマを取り上げたのは、この時期のご相談で最も多いトラブルだからです。
妊娠に必要な条件は人それぞれで、さまざまなご要望をお持ちだと思います。
卵子の育ちを良くしたいなら・・・
採卵で成果を上げたいなら・・・
フカフカで良質な子宮内膜を望むなら・・・
基本的な妊娠条件を備えるために、漢方の視点から考えるとき、ぜひ知っておいていただきたいのが「陰虚(いんきょ)」という体質です。
「陰」とは、物体や現象の性質を分類したときに「陰」か「陽」のいずれかに該当するという考え方にもとづく概念で、
漢方でいう「陰」は、身体を養う水分や血、精など、身体を滋養する側の要素を表し、特に生殖機能との関係では「腎陰(じんいん)」が重要と考えられています。
陰が不足すると、身体を養い、潤す側の働きが弱くなり、相対的に「熱」がこもりやすくなります。
漢方では、このような状態を「陰虚」と捉え、卵子の発育だけでなく、子宮内膜や基礎体温、生理の状態などにも、その特徴が表れることがあります。
卵子の育ちと「陰」の関係
漢方では、卵子の発育や成熟を「腎」の働きと関連づけて考えます。
その中でも「腎陰」は、卵巣や生殖機能を滋養する側の要素として捉えます。
たとえば
「卵胞の育ちがゆっくり」
「採卵しても成熟卵が少ない」
「良好な胚を得ることが難しい」
などの状況では、卵巣機能に加えて、睡眠、疲労、ほてり、発汗、生理の状態などを含めて、陰の不足がないか注意します。
ただ、AMHが低いことそのものについては「陰虚が原因」と結びつけるものではありません。
AMHは現代医学において卵巣予備能を評価するための指標であり、漢方では、AMHやFSHなどの数値だけで体質を決めるのではなく、検査結果を参考にしながら身体全体の状態を合わせて考えていきます。
子宮内膜と「陰」の関係
子宮内膜の形成には、エストロゲンなどのホルモン作用や子宮への血流など、さまざまな要素が関係しています。
漢方では、子宮を十分に養う「血」や、それを支える「陰」の状態にも目を向けます。
「内膜がなかなか厚くならない」
「着床しても、その後が気になる」
などでは「血が足りない」だけでなく、血虚、陰虚、瘀血などの可能性も合わせて見分けていきます。
陰虚では、身体の潤いが不足した状態として、口や喉の乾燥、ほてり、寝汗などを伴うことも多く、漢方では体質を判断する大切な材料になります。
基礎体温にも「陰虚」の特徴がみられます
陰虚では、身体を冷ます側の「陰」が不足するため、漢方では「虚熱」が生じると考えます。
基礎体温を拝見すると、高温期の体温が高め、高温期が上下して安定しない、低温期と高温期の差が乱れるなどの特徴がみられる方もおられます。
FSHが高いときも、漢方では「体質」から考えます
FSHが高い場合、現代医学では卵巣機能の低下などを含めて診断されますが、漢方では「FSHが高い=腎陰虚」とは決められません。
FSHが高めで、卵胞の発育についてお悩み方では、漢方的に腎陰虚の特徴を伴っているケースもありますので、年齢、生理の状態、卵胞の発育、基礎体温、睡眠、疲労、ほてりなど、身体全体の状態を確認しながら「腎陰虚」などの証を考えていきます。
AMHやFSHなど数値化される現代医学の検査結果と漢方の体質判断は別々に考えるのではなく、両方の視点から見極めることが大切だと思います。
妊娠後も「陰」はもちろん大切です。
「ほてる」「乾燥する」「疲れやすい」という症状だけを見ると、陰虚のように感じるかもしれませんが、それだけで区別できるものではなく、陰を補うことが必要なのか、血を養うことが先なのか、気を補う必要があるのか、瘀血や気滞を整えることが必要なのか、などを漢方による妊活では考えていきます。
一陽館薬局では、今のお体の状態を丁寧に見ながら、お一人おひとりに必要なものを見極めていきます。
そして、個々人に寄り添う体づくりを成功させるために、何よりもお客さまとのコミュニケーションを大切にしています。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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【子宝漢方と不妊相談の一陽館薬局】
奈良市大宮町6-9-2
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