妊娠限界とストレスの関係。

最近は、不妊治療専門病院でも｢ストレス｣に着目されると聞きます。少数派のようではありますが。

この15年、不妊症の漢方相談をおこなってきて、身体機能に、自律神経にと、いかにストレスが関わっているかと感じるケースに出会ってきました。

もちろん、身体機能には、限界期があるわけですが、その限界期にさえ、ストレスが影響するような気がします。

先日自然妊娠された春子さん(42歳 仮名)は、タイミング療法から順にステップアップして、顕微授精8回が陰性で、採卵も不良なため医師から治療の終了を告げられました。
この4年間、全力で不妊治療に生活をかけて、薬漬けの日々でした。

そんな春子さんには、これまでに2度妊娠の兆候がありました。1回目は、タイミング療法を始めた周期、2回目は、体外受精1回目が陰性になり3ヶ月休んでから治療を再開した周期です。

春子さんは、原因不明不妊としての対処を受けてきました。不本意なまま病院での不妊治療を終了したのですが、漢方に望みを託すことにされました。

春子さんの過去2回の妊娠は、偶然でしょうか？
同じ確率で、たまたま｢当たり｣を引いたのでしょうか？

ポイントは、2回の兆候があった背景に注目してみると見えてきます。
2回とも、不妊治療期間の中で「ストレス」が少ない時期です。
行き詰まり感のない当初、治療を完全に離れ休養をとったとき。

もしかしたら、春子さんの今の限界期は見せかけのものかもしれない、本来の妊娠力は持っているのではないか、ということを感じ漢方を始められたのでした。
私の予感と春子さんの体の声は一致し、良い結果に恵まれたのだと思います。

ストレスは、今やあらゆる病気の隠れた最大の原因ともいわれます。
特に原因不明の不妊は、病気ではないということからも、よりストレスの影響は大きいのではないかと考えられます。
体へのストレス、心へのストレス、対外的にも本質的にも常にストレスがあります。

ゴールの見えない不妊治療も大きなストレスに違いありません。
ご夫婦が協力し、私たちにご相談いただきながら、ストレスをうまくコントロールできるといいですね。