その「休み」は止まっているのではありません
40代で妊活をされている場合、”焦っていない” とお答えになる方はそう多くないのではないでしょうか。
「少し治療を休んでいるんですが、このままでいいのか不安」
「休んでいる間も、何かしなければいけない気がして、焦ります」
といったお声が聞かれます。
「あなたの年齢だと・・・・」から始まる説明には、希望が膨らみ期待が高まる内容よりも、困難な前途と急かされる話題が多くなります。
それが事実であり現実を受けとめざるをえないという点も理解できます。
そのような中で、今回は、体外受精がうまくいかず、転院を繰り返しているというお客さまからのご相談です。
「1ヶ月でも無駄にできない」という思いに支配され、毎日焦って、今日も何も進まなかったと思っては眠れない夜にスマホの情報に見入ると言われます。
こんなことをしていてはダメだ、と家事も手につかず、ご家族との対話もままならず、心療内科にも通うことになり、そんな自分がイヤになりまた自分を責めるという悪循環のようです。
抜け出したい、もうやめてしまいたい・・でも、やらなければならない・・
意を決して「今度こそは!」と体外受精を選択するものの、採卵できない、空胞、育たない・・が続きました。
もう、何が何だか・・私のせいなんです・・と言われました。
たしかに、医療という対象エリアの中で選択を迫られる場合は、選択可能な中から回答を出すしかありません。
でも、別のエリアには違った選択肢もあるということに気づいていただきたいと思います。
ご自分らしく、主体的に選ぶという権利はお客さまの手の中にあります。
だから、「治療を休む」=妊活が止まる、ではないですし、「薬で卵巣を休ませる」=卵巣が元気になる、でもないのです。
どう捉えるかは、ご自身が決めていいと思います。
治療のステップを一時的に離れることを「後退」と感じてしまう方は多いです。
特に40代は、時間への焦りが大きくなる中で「1ヶ月でも無駄にできない」という思いは、真剣に向き合っているからこそでしょう。
でも、漢方の視点からお伝えすると、体と心が整っていない状態を無視して前に進もうとするよりも、「成果を出すために必要な力を蓄える」時間をもつこそが、次のチャンスへの確実なステップとなることもあるのです。
漢方には「養生(ようじょう)」という言葉があります。
これは単なる健康管理ではなく、生命力そのものを育て、整える営みのことです。
妊娠に必要な力を「精(せい)」と呼びますが、この「精」は一夜で作られるものではありません。
毎日の睡眠、食事、心の安定、そして休息によって、少しずつ蓄えられていくものです。
治療を休んでいる期間も、丁寧に過ごしていれば、精は確実に蓄えられています。
治療による負担というマイナスをなくすことで、体の中では、蓄えというプラスの力が養われていくのです。
積極的な休養でできること
◎睡眠を整える
夜22時〜深夜2時は、「肝・胆」の時間帯。
この時間に眠れているかどうかが、ホルモンバランスや血の質に大きく関わります。
◎温める習慣を続ける
湯船につかる、腹巻きをする、冷たい飲み物を控える。
地味に思えますが、子宮や卵巣への血流を守るうえで、毎日の積み重ねが響いてきます。
◎食事で血を作る
動物性タンパク質(肉・魚・卵)、黒い食材(黒豆・黒ごま・ひじき)、赤い食材(なつめ・クコの実)などは、漢方的に「血を補う」働きがあるとされています。
◎漢方による取り組み
治療の合間こそ、漢方で体の土台を整える絶好のタイミングです。
治療を再開するときが来たならば「前より体の状態がいい」と感じられるよう、今から準備することができます。
治療を少し離れているからといって、可能性が止まっているわけではありません。
体が力を蓄えている時間、心が回復していく時間、そして次のチャンスに備える時間・・・毎日が前に進んでいる過程です。
一陽館薬局では、治療の合間に何をすればいいかわからない方、体の状態を整えながら次のステップを考えたい方のご相談もお受けしています。
ひとりで抱え込み迷い込んでしまった方、一度お話をお聞かせください。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。




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