『 漢方とおせち ~ 妊活 ~ 子宝編 』
12月に入ると、クリスマスの準備とともに、
「おせち」の準備をされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「おせち」は「御節」とも書かれ、
元々は元旦や季節の変わり目にあたる節句(雛祭りや子供の日や七夕など)に
神様にお供えするためのものでした。
今は、お正月の料理を「おせち料理」というようになっています。
時代が変わるにつれ内容も変化し、五穀豊穣・家内安全・子孫繁栄の願いを込めて、
それにちなんだ食材を使うようになりました。
「神様をお迎えした新年に台所を騒がせてはならない」
「火の神様を怒らせないように」との言い伝えからや、
「主婦がゆっくり休めるように」とのことで保存の効く料理が多いようです。
●黒豆
健康を意味する『まめまめしく』にちなんで食べられるようになりました。
薬膳の効能としては、体内の余分なものを排出する働きや、むくみの緩和。
潤いや血液を補いながら巡りを良くし、消化器系・腎機能に働きかけます。
黒い食材は、腎の働きを高めるので、精がつき滋養強壮には勿論、
月経不順・腰痛・老化防止・生活習慣病予防・疲労回復に役立ちます。
むくみやすい方やアンチエイジングにもオススメ。
●海老
腰の曲がった海老は『腰の曲がるまで元気でいられるように』と長寿を願うもの。
薬膳の効果としては、腎機能や体内のエネルギーを高め、体を温める働きがあります。
強壮作用もあり、薬膳でも「長寿」食材です。
足腰の痛みや精力減退や頻尿などにも有効です。
●昆布
『喜ぶ』にかけた縁起物として使われます。
薬膳の効能としては、余分な物の塊を柔らかくし(しこりをほぐす)、
腫れものを柔らかく小さくするなど、体液の流れを良くしながら体外へ排出する働きがあります。
体の熱を冷まし、余分な水分をとり、動脈硬化や高血圧など生活習慣病予防に取り入れたい食材です。
また、成長が早く繁殖力が強く生命力が強いことから『子宝』や『子孫繁栄』の象徴として、
お祝いの席でもよくみられます。
●栗
黄金色に輝く様子から、お金や金銀財宝にかけた縁起物として。
薬膳の効能としては、下痢や出血を止め消化機能や腎機能を高めます。
疲れやすい・足腰がだるい・お腹が冷えやすい・慢性下痢の方におすすめ。
鼻血・血便・血尿にも良いとされています。
色付けには漢方薬でも使われる山梔子(さんしし)=くちなしが使われています。
●里芋
いくつも連なってくっついている事から『子宝』や『子孫繁栄』の縁起物として。
形からだけでなく、ネバネバ成分のムチンも含まれているので、滋養強壮の働きもあります。
疲れやすく体力がない慢性疲労の方にもおすすめ。
消化を助け便通を良くしたり、解毒作用も期待できます。
そのほか、数の子・ゴボウ・蓮根など、縁起物だけでなく、
漢方的要素が含まれているものも多く、
寒い冬を元気に過ごせるように、生殖機能を高め、
生命力の源でもある『腎』を補う食材が多く使われています。
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