多嚢胞性卵巣症候群だと妊娠は難しいですか?
20歳代の方から生理不順を改善したいとのご相談ですが、もう赤ちゃんを授かることは無理なのかと大変落ち込んで来られました。
婦人科での診断は多嚢胞性卵巣症候群とのことで、排卵がうまくいかず、数ヶ月ごとの生理周期です。
今すぐ妊娠を希望するわけではないけれど、このままだと不妊治療でしか授かることができないのかと不安で仕方ないと言われます。
ホルモン剤などの服用も抵抗があるし、どうすればよいかと悩まれています。
まず、排卵が遅れるのは、卵子の発育に時間がかかる状況があるという多嚢胞性卵巣症候群の特徴です。多嚢胞性卵巣では卵巣の中で排卵に向かう卵子の代表が定まらず、複数の代表候補が連なった状態が続いてしまうために「1個」に集約されないのです。
漢方的な理由は主に2つ。
1つは、瘀血。
要するに血流が悪く、スムーズな発育を妨げることが排卵遅延を招いているといえます。
もう1つは、腎虚。
腎では卵子の発育やホルモン分泌などを担っており、この力が足りないため発育ペースがゆっくりであることが考えられます。
そして大切なのは、生活習慣。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合、体質的に甘いものを好む嗜好が特徴的で、胃腸が弱い傾向があります。
甘いもののとり過ぎに注意です。
また、血流か悪くなる習慣、例えば睡眠不足、過労、ストレスなどはデトックスがうまくいかず、血がドロドロになりやすく、お風呂もシャワーのみだと冷えて血流が悪くなってしまいます。
遺伝とか何か一つが原因というものではないので、何かをすれば改善できるというわけにもいきませんが、体質は日々の積み重ねによってつくられるという基本に立ち返り、思い当たることから改善していくことが大切です。
その効率を上げて手助けするのが漢方の役目です。
ひとりで悩まずぜひご相談ください。
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