風邪をひいたあと、生理周期が乱れたことはありませんか?
夏風邪が排卵や生理周期に影響することがあります
「今周期は、いつもより排卵が遅れたようです。」
妊活相談では、このようなご相談をいただくことがあります。
詳しくお話を伺うと、
「風邪をひいた翌月、生理が遅れました。」
「高熱が出たあとから生理周期が不安定です。」
「夏風邪のあと、基礎体温がいつもと違う感じです。」
といった実感を持たれているようです。
夏は、暑さによる体力消耗に加え、冷房による冷え、食欲低下や睡眠不足などが重なり、体調を崩しやすい季節です。
当然、風邪もひきやすいかたもいらっしゃるでしょう。
風邪をひくと、体は回復を最優先に働きます。
風邪をひいた影響が、排卵や生理周期に現れることがあります。
例えば、排卵は、毎月決まった日に機械のように起こる現象ではありません。
脳の視床下部や下垂体、卵巣が連携しながら働き、その原動力はまさに”全身の体力”なのです。
風邪や感染症による発熱、食欲低下、睡眠不足、強い疲労などが重なると、体は免疫機能や組織の修復を優先し、結果的に、排卵の時期が一時的に遅れ、生理周期の乱れにつながることが考えられます。
これが、生理周期の乱れを「ホルモンバランス」だけで説明しきれない理由なのです。
「風邪のあと」が大切です
漢方では、熱が下がったから回復したとは考えません。
風邪のあとも疲れが残る。
食欲が戻らない。
寝てもだるさが取れない。
冷えを感じやすくなった。
このような状態が続いている間は、体は十分に立ち直っていない可能性が考えられます。
発熱や発汗は「気」や「津液(しんえき)」を消耗しやすく、食欲低下が続くと「血」を養う力も低下します。
気・血・津液は、それぞれが支え合いながら体の働きを維持していますので、資源が不足すると、生殖機能にも影響が及ぶと漢方ではとらえます。
また、生殖を支える「腎」の働きも、慢性的な疲労や度重なる体調不良によって弱りやすくなることから、風邪をきっかけに生理周期が乱れたときは、周期だけを見るのではなく、体の回復状態までをしっかりフォローすることが大切です。
同じ風邪でも影響が違うのは、体質が違うからです
「たかが風邪、されど風邪」
同じように風邪をひいても、認識できるような不調がない人もあれば、翌周期には元に戻る、さらにその後の数周期までが不安定になる人もあります。
この違いは、もともとの体質や回復力の差によるところが大きいと考えられます。
”もともと”疲れやすい方。
”そもそも”冷えが強い方。
”慢性的に”胃腸が弱い方。
”日常的に”ストレスの影響を受けやすい方。
漢方では、その方がどこで体力を消耗しやすいのかを見極め、必要な部分を補いながら整えることができます。
妊活では、体調を整えることにも大きな意味があります
妊活では、排卵日や生理予定日にばかり意識が向きやすくなりますが、落ち着いて考えてみると、安定した排卵や月経は、全身の健康状態が保たれてこそ成り立つものです。
風邪をひいたあとに生理周期が乱れたときは、「生理が遅れた」という”結果”だけにこだわるよりも、その時期の体調や回復の経過にも目を向けてみていただくとご自身のコンディションを受けとめることができるのではないかと思います。
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漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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