自然妊娠に必要な「精子力」~男性妊活と漢方〜
男性の妊活では、精液検査で、精液量、精子濃度、総精子数、運動率、形態などを確認されますが、精液検査は基準値に入っていても、なかなか妊娠しない場合、どうすればよいでしょうか。
自然妊娠を考えたとき、精子に求められる仕事には「数をそろえること」と「妊娠させる力強さ」が必要になります。
精子は、射精された瞬間に完成するものではない
精子は精巣で形成され、成熟していきますから、その過程では、精巣そのものの状態だけでなく、ホルモンバランス、体温、酸化ストレス、栄養状態など、さまざまな要素が関係します。
特に精巣は体温より低い環境が保たれる構造になっており、精索静脈瘤など、精巣周辺の環境が男性生殖機能に影響することも知られています。
また、喫煙、肥満、運動不足、過度の飲酒などは男性の生殖機能との関連が報告されています。
つまり、精子そのものをどうにかしょうとするよりも「精子がつくられる環境をどうするか」という角度から体調を整えることが大切だと考えられます。
精液検査の基準値を、具体的に知る
世界保健機関(WHO)の『精液検査と処理に関する実験室マニュアル第6版』(2021年)では、自然妊娠に至った男性の精液所見をもとに、各項目の下位5パーセンタイル値が示されています。
代表的な数値は、次のとおりです。
精液量は1回の射精で 1.4mL、精子濃度は 1mLあたり1,600万個、総精子数は1回の射精あたり 3,900万個 が下位5パーセンタイルの目安です。
運動率は、動いている精子全体で 42%、前進運動率は 30%、正常形態率は 4% がそれぞれの目安として示されています。
これらの数値は「妊娠できる・できない」を分ける境界線ではなく、これらは妊娠に至った男性の精液所見の分布から得られた参考値であり、基準値を上回れば必ず妊娠する、下回れば妊娠できないという意味ではありません。
精液所見には、同じ人でも検査ごとに変動がありますから、検査結果は一度の数値だけで判断せず、必要に応じて再検査や専門医による診断を受けることが大切です。
また、精液検査で確認するのは、主に精液と精子の基本的な性状であり、精子のDNAの状態や、受精に関わるすべての機能を通常の精液検査だけで把握できるわけではありません。
精液検査が基準範囲内であることと、妊娠に必要な機能がすべて確認できていることは、同じではないのです
精子が形成されるまでには、およそ74日かかります
精子は精巣でつくられ、その後、精巣上体を通る過程で運動能力などを獲得し、さらに精巣上体で成熟する期間も必要です。
つまり、今日の精液検査に表れている精子の状態には、数週間から数か月前の身体の状態も関係していると考えられます。
精子の形成には、精巣の機能やホルモン、体温環境、酸化ストレス、栄養状態など、さまざまな要素が関わります。
特に精巣は、体内よりも低い温度に保たれる構造になっています。
精索静脈瘤など、精巣周辺の状態が精子形成に影響することも知られています。
喫煙、肥満、過度の飲酒、睡眠不足など生活習慣の見直しも大切です。
生活習慣の影響の程度は要因によっても異なり、生活を変えれば必ず精液所見が改善するというものではありませんが、このような取り組みは、精子の状態だけでなく、男性ご自身の健康管理にもつながります。
漢方での「精子」の見かた
漢方相談では、精子を生み出す力を表す情報として、今の体調をていねいにお伺いします。
たとえば、
仕事が忙しく睡眠時間が短い。
慢性的な疲労が続いている。
食事が不規則で、胃腸の調子もすぐれない。
体重が増えて身体が重い。
飲酒の機会が多い。
ストレスが強く、常に緊張している。
漢方では生殖機能に影響している可能性のある体の偏りに着目していきます。
自然妊娠を目指すなら、男性側にも「体づくり」という選択を
自然妊娠を目指す場合、女性側だけが体調を整えればいいというわけではありません。
精子は、受精という大切な役割を担います。
妊娠できる卵子と妊娠させることができる精子の両方がそろってこそ、妊娠が成立します。
一陽館薬局では、男性の妊活相談においても、睡眠、食事、仕事、疲労、体重、飲酒などを含めてお話を伺っています。
シンプルですが、男性ご自身がお元気で、体力的にも気力的にも充実していることが何より元気な精子を生み出すことにつながるのではないでしょうか。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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