生理が順調でも妊娠しづらい理由
女性のご相談で多い、
「生理は毎月きちんと来るのに、基礎体温も2相なのに妊娠しない」
という状態についてお話したいと思います。
「生理不順の友人は不妊に悩むことなく妊娠できるのに
どうして生理が順調な私が妊娠できないの?」
とか
「生理不順でも2人、3人と授かる人があるのに
私は生理周期が安定しているのに授かることができない・・・」
とおっしゃる方もあります。
自分で不妊の理由が思い当たらないのに妊娠できない状態が続いているなら
まずは、
医学的に不妊の原因があるかどうかの検査をしてみるのがおすすめです。
事情を理解せずにいきなり不妊治療をしても
納得しないままだと、やっぱり行き詰ってしまうこともあると思うのです。
医学的な原因としては、
例えば、卵管閉塞や無精子症、関係臓器の問題、
子宮筋腫や子宮内膜症が着床を阻んでいるなど
夫婦関係やタイミングでは解決できない状態が見つかれば
治療が必要な場合もあるかと思います。
原因を見極め、最適な治療を受けることこそが、
その人にとっての「本当の治療」になるといえます。
そして、
もし、医学的な原因がない場合や
「体質」という理由で解決策がない場であれば
漢方を試してみることは、大きな意義があることだと思います。
例えば、加齢の影響や冷え性などが挙げられます。
原因不明・体質的問題で不妊状態が続く場合に
何か原因があるはず・・・と病院を転々とし様々な検査を受けたり、
とにかく不妊治療を開始したり、
場合よっては
「不妊原因があった方が気持ちが楽になる」とまで考える方さえあります。
でも、いつも言うのですが
医学的な不妊原因がないことは
今はハッピーな気分でなくても
少なくとも「不幸なこと」ではないと思います。
漢方を試す価値があるというのは
「漢方が治すもの」ということではなく
「漢方によりご自身が治っていくための力をつけていく」
ということによります。
つまり
「不妊状態」から「妊娠できる状態」へ
漢方が貴女を変えるのではなく
漢方により貴女自身が変わるということなのです。
「生理が順調であるのに妊娠できない」体質的理由として
「逖血」「腎虚」という漢方的表現があります。
ひとことで表すなら
「血液のめぐりがスムーズでない」
「生殖活動に必要な体力が不足している」といういものです。
先ほどの例でいえば、
冷え性は「逖血」、年齢からくる状態は「腎虚」ということになります。
生理が順調でも、その状態や体質に目を向けると
漢方的理由が見える場合があります。
それは西洋医学と東洋医学の診方の違いによるのです。
どちらかが正しいとか間違っているとかではなく、
ご自身の状態に合った対処をすることが大切なことです。
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