漢方薬の服用を止めたらどうなりますか?

「漢方で体質改善というけれど、飲むのをやめたらまた元に戻ってしまうのですか?」
よくいただくご質問です。

漢方薬の服用をやめた後の体調の変化についてですが、これは桃福宝に限らず、漢方全般に共通する重要なポイントになります。漢方の服用期間には、大きく分けて以下の二つの段階が考えられます。

Ⓐ:「いったん体調が良くなるまでの期間」
Ⓑ:「良い状態を一定期間継続した期間」

まず、Ⓐの「いったん体調が良くなるまでの期間」についてですが、これは個人によって大きな差があります。
服用開始時の体調や体質、抱えている症状の程度、生活習慣などが影響するため、早い方であれば4ヶ月ほどで改善が感じられる場合もありますし、長い方では数年かかるケースもあります。

次に、Ⓑの「良い状態を一定期間継続した期間」についてですが、これはとても重要なポイントです。
体調が改善された後、良い状態が長期間継続されるほど、漢方の服用を中止した後も、同様の状態を維持しやすくなります。
つまり、Ⓑの期間が長ければ長いほど、漢方薬をやめた後も比較的安定した体調を保ちやすいということになります。

この二つの期間を合計したものが、「その方にとって適切な漢方薬の服用期間」となります。
(Ⓐ+Ⓑ=服用期間)

ただし、これはあくまで一般的な考え方になりますので、一陽館薬局では、具体的なご相談(例えば、服用期間をどの程度にすべきか、減量の進め方、代替手段の有無など)については、しっかりとお時間をお取りして、詳しく確認しながらお話しさせていただくようにしています。

さらに、妊娠に向けての体づくりにおいては、妊娠という結果が、ある意味「効果」という意味合いを持つため、漢方薬の服用期間が特に重要な意味を持ちます。

妊娠を目指す場合、単に一時的に体調を整えるだけでなく、ホルモンバランスの安定や子宮・卵巣の機能向上、血流の改善など、体全体の状態を根本から整えていくことが大切です。
そのため、Ⓐの「いったん体調が良くなるまでの期間」だけでなく、Ⓑの「良い状態を一定期間継続する期間」をしっかり確保することが、妊娠のしやすさに大きく関わってきます。

特に、冷えや血の巡りの滞り(瘀血)、ホルモンバランスの乱れなどがある場合、それらが改善された後もしばらくの間、安定した状態を維持することが妊娠しやすい体づくりにつながります。
そのため、体調が整ってきた段階で「もう大丈夫」とすぐに漢方薬をやめるのではなく、しばらくの間、良い状態を維持するための期間を意識することが大切です。
つまり、妊娠に向けての漢方の服用については、先ほどのⒶ+Ⓑに
Ⓒ:妊娠する状態で結果を待つ期間
を加えた
Ⓐ+Ⓑ+Ⓒ=必要な服用期間
ということになります。

これらのことから、病院で処方される化学系薬剤(西洋薬)と漢方薬では、症状の捉え方や治療のアプローチが大きく異なります。
1. 症状に対するアプローチの違い
西洋薬:特定の症状や病気に対して、直接作用する成分を用い、即効性や強い効果を発揮することが多いです。
例えば、痛みがあれば鎮痛剤、炎症があれば抗炎症剤、高血圧には降圧剤といったように、特定の症状をピンポイントで抑えることを目的とします。
漢方薬:症状だけでなく、その原因や体全体のバランスを整えることを重視します。
例えば、同じ「頭痛」でも、冷えが原因か、血流の滞りか、ストレスが影響しているのかによって使用する漢方が異なります。単に症状を抑えるのではなく、「なぜその症状が出ているのか?」を考え、根本的な改善を目指します。

2. 治療の時間軸の違い
西洋薬:比較的短期間で効果を感じやすいですが、その効果は薬を飲んでいる間に限られることが多く、服用をやめると症状が再発することもあります。
慢性疾患などでは、長期間服用することで副作用のリスクが懸念されることもあります。
漢方薬:じっくりと体質を改善し、症状が出にくい状態を作ることを目的とします。
良い状態が継続すれば、服用をやめた後も体調が安定しやすい傾向があります。

3. 作用の仕方の違い
西洋薬:特定の成分が明確なメカニズムで作用し、即効性や高い効果が期待できますが、副作用が生じることもあります。体にとって「外から加える治療」が主となります。
漢方薬:複数の生薬が組み合わされており、体全体に穏やかに作用しながらバランスを整えます。
「体が本来持っている力を引き出す」ことを目的としているため、副作用が少なく、体質改善につながりやすいとされています。

4. 服用期間の違い
西洋薬:短期間の服用で済むもの(風邪薬、抗生物質など)もあれば、長期服用が前提となるもの(高血圧薬、糖尿病薬など)もあります。
特に慢性疾患では、薬をやめると症状が再発するため、長期間の服用が必要になることがあります。
漢方薬:「Ⓐ体調が良くなるまでの期間」と「Ⓑ良い状態を維持する期間」を考慮しながら服用を調整するのが特徴です。体調が安定すれば、徐々に減量したり、中止することも可能です。

5. 妊娠に向けた体づくりにおける違い
西洋薬:妊娠中や妊娠を希望する場合、一部の薬は胎児に影響を与える可能性があるため、服用が制限されることがあります。
特定のホルモン剤や治療薬を用いることで、排卵の促進やホルモンバランスの調整を行う場合もあります。
漢方薬:妊娠しやすい体質を根本から整えることを目的としており、冷えやホルモンバランスの乱れ、血流の滞りなどを改善することで、自然な妊娠力を高めるサポートをします。
妊娠後も継続できる漢方が多く、妊娠中の体調管理にも役立つ場合があります。

つまり、西洋薬は症状を直接抑えることを目的とした即効的な治療に対し、漢方薬は体質やバランスを整える根本的な改善を目的としています。
どちらが優れているというわけではなく、症状や目的に応じて使い分けることが大切です。
例えば、「急な発熱や痛みを抑えたい時は西洋薬」「妊娠しやすい体づくりや慢性的な不調の改善には漢方薬」など、漢方は「体そのもの」への作用のため、不妊治療との併用も可能です。

また、妊娠に向けた体づくりは、漢方薬だけでなく、食事や生活習慣の改善、適度な運動、ストレス管理なども大きく影響します。
一陽館薬局では、カウンセリングを通じて漢方と併せて、日常生活の見直しをアドバイスすることで、より効果的な体質改善をご提案していきます。
当店で漢方をご利用のお客さまにはカウンセリングは無料で、ご来店、オンライン(ZOOM)、電話などでも承ります。

どうぞお気軽にご相談ください。

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