漢方を選ぶ理由
今では “2.6組に1組” は不妊治療を受ける時代と言われ、赤ちゃんがほしい場合は病院へ行って不妊治療を受けることがスタンダードなのかもしれません。
漢方相談の現場でのイメージとしては、以下4タイプに分かれると感じています。
①不妊治療とは関係なく妊娠に好ましい状態の方
②不妊治療を受けるメリットが見込まれる方
③不妊治療を受けたがうまくいかない方
④不妊治療により後退したと言わざるを得ない方
①については、自然妊娠できる状態という意味でご夫婦ともに問題がないケースです。
当然、不妊治療を受けられたとしても、早い時期に妊娠されるであろうと思います。
②については、何らかの不妊原因があるケースで、人工的なアシストにより不妊の原因となる要素をスキップできるものが該当します。
例えば、卵管閉塞のため体外受精をする、卵管の閉塞や狭窄が確認されFT(卵管鏡下卵管形成術)を受ける、精子の運動率が低いため人工授精を受けるなど、あるポイントをクリアすれば先のステップへと進むことができる場合は有効かもしれません。
③④については個々の状態によって少し考えてみる必要もあると思います。
③についてですが、どの段階でうまくいかないのかによって対策をしっかりすることが大切です。
タイミング療法、人工授精、体外受精、顕微授精の治療の目安とご自身の状態を理解して臨むと成果が得られやすいかと思います。
タイミング療法は、不妊原因が明確でない場合にまず行われる治療で、比較的若年を対象として基礎体温や排卵検査薬を使って排卵日を特定してタイミングをはかるものです。
人工授精では、精液の状態がやや不良傾向だったり、性交障害があるなど、タイミング療法が効果的でないなどが条件となるものです。
体外受精では、両側卵管閉塞、精子の状態が著しく低下している場合、人工授精からのステップアップ、年齢的リスクが高い場合や原因不明不妊などが対象とされています。
顕微授精では、体外受精の条件にさらに、精子数が極端に少ない、精子の運動率が著しく低い、受精障害があるなどが該当するものになってきます。
④については、ご自身の状態と治療選択がずれていないか、目的とする治療を受けることができているか、が大切だと思います。
高度な治療を受けることが必ずしも妊娠への近道になるとも限りませんし、一定期間高度治療を受けたからといってその手前の治療選択に意味がないわけでもありません。
ステップは「アップ」でも「ダウン」でもなく、ご夫婦の状態やご事情に合った選択をすることが大切だと思います。
保険診療下での不妊治療の費用は、体外受精1回分おおよそ10万円程度とした場合、2回うまくいかなかった時に連続して3回目、4回目を想定して進むのか、その分を漢方での体づくりに充てて少しでも有利な態勢に整えながら結果へつながるペースを上げて臨むのか、考え方もそれぞれかと思います。
時間にも卵巣機能にもリミットがあり、例えば体外受精2回目と3回目は「同じことの繰り返し」のように見えても体にとっては「同じこと」ではありません。
体への負担を最小限にとどめながらダメージを増やさないことが大切になってきます。
一陽館薬局では、お一人おひとりの状況に応じて様々なアドバイスやご提案をしています。
現状に納得できない方、これからどうすればいいかお悩みの方にもしっかりと選択肢をご提示し寄り添ってまいります。
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