次の妊娠はいつからOK?
「絶対もう一人欲しい!」と強い希望をもってご相談いただくことがあります。
”もう一人”は第二子とは限らず何人目であっても”望む気持ちの強さ”は 変わらないのではないでしょうか。
前回が自然妊娠でも、不妊治療を介しても、どれくらいの期間が空いているかもご事情はそれそれです。
仕事や産休の兼ね合い、体外受精では凍結胚の保存期限の意識、ご自身の年齢的な焦りなど、検討されるポイントもさまざまです。
医学的には、排卵は産後6か月前後から戻り、妊娠自体は可能になりますが、アメリカ産科婦人科学会(ACOG)やWHO(世界保健機関)などの報告では、「出産から18か月以上の間隔を空けるのが母体・赤ちゃんともに最も安全」とされています。
出産や授乳によって消耗した体は、見た目以上にダメージを抱えており、その回復には時間が必要なのです。
漢方でも産後の養生を特に大切にしています。
漢方では、出産は「血」の消耗と、「腎」のエネルギーの大きな損失と捉えます。
出産時に失血し、続いて授乳によってさらに「血」が消耗されることで、「血虚」という”エネルギー切れ・栄養不足”のような状態に傾きます。
また、生命力・生殖力の源を担う「腎」も妊娠出産により大きくダメージを受けることとなり弱ってしまいます。
妊娠への原動力である「腎」の回復が不十分なまま妊娠するとなると、また”命を育てるという重労働”を始めることになり、体への負担はとても大きくなります。
このような状況から、産後の体を整えるために、漢方では産後回復期の養生をすすめています。
◎「補血」と「補腎」の意識を持ち、カラダを養いましょう。
補血食材:黒ごま、なつめ、クコの実、ほうれん草、レバーなど
補腎食材:黒豆、山芋、栗、えび、にらなど
◎ 無理をしない、休む勇気を持つことも大切です。
出産後は、気力も体力も不足している状態(=「気虚」)も見受けられます。
出産直後からの育児などから、「寝不足」「休めない」「食事がちゃんと取れていない」など、ご自身のホルモンバランスの変化や日常生活も大きく変わることでストレスを抱えることとなり、頑張り過ぎが悪循環を招いてしまう場合もあるのではないかと思います。
妊娠の「適齢期」は医学的な見地によることが多いですが、大切なのは、ご自身が”妊娠を迎える準備が整った”と感じられるかどうかだと思います。
前回妊娠から10年以上経過している、前回妊娠時とはパートナーが異なる、出産してすぐだけどできるだけ早く欲しい、授乳中だけど次回妊娠の準備を始めたい・・・など一陽館薬局ではさまざまなご要望を承っております。
そのお一人おひとりの「赤ちゃんがほしい」というお気持ちに寄り添いながら、漢方の観点から、月経・おりもの・基礎体温・睡眠・食欲などのご様子をうかがい、妊娠力を総合的に確認させていただきます。
目に見えない“からだの声”に丁寧に応えながら、焦らず整えていくことが確かな準備になると考えています。
第一子に比べると、第二子以降はお悩みの内容も少し違ってきます。
どうぞお一人で抱え込まず、ご相談してみていただければと思います。
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