春先の妊活はストレス次第
立春寒波で冬の名残を感じる日々ですが、少しずつ日が長くなり明るさを届けてくれています。
漢方では三寒四温のごとく、「寒」=陰と「温」=陽が入り混じりながら陽気が高まりゆく時期になります。
陰・陽が綱引きをしながら陽へと引き寄せられていくような感覚の季節は、いわゆる季節の変わり目であり、心にも体にも不安定さがみられます。
陰と陽は、言い換えれば自律神経の「副交感神経」と「交感神経」のようなもので対峙する働きを担っています。
ON ・OFF、気分転換、ストレス解消・・といった、緊張とリラックスのバランスをとることの大切さはわかっていても、実際には仕事や人間関係、妊活そのもののプレッシャーなど、ストレスを完全に避けるのは難しいものです。
では、ストレスは妊娠力にどのような影響を与えるのでしょうか?
➀ホルモンバランスの乱れ
ストレスを感じると、体は「コルチゾール」というストレスホルモンを分泌します。
コルチゾールの過剰な分泌は、妊娠に必要なホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)のバランスを崩し、排卵障害や生理不順の原因になることがあります。
➁ 自律神経の乱れによる血流低下
ストレスが続くと緊張状態が続き交感神経が優位になり、血管が収縮します。
その結果、子宮や卵巣への血流が滞り、子宮内膜が厚くなりにくい、卵の質が低下するといった影響が出る可能性も考えられます。
➂ 睡眠の質の低下
ストレスを抱えると、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。
質の良い睡眠はホルモン分泌を正常に保つために大切であり、不眠は妊娠力低下を助長する可能性があります。
漢方では、ストレスによる体の不調を「気の滞り」としてとらえます。
「気」の巡りが悪くなると、血流が悪化し、ホルモンバランスも乱れがちになります。
「気滞(きたい)」で起こる典型的な症状として、イライラしやすい、ため息が多い、お腹が張る、生理前に胸が張ったり、感情の起伏が激しくなる、咳が出る、便秘などがあります。
春は特に季節性の不調と重なりバランスを崩しやすくなりますので、ひどくならないうちに漢方で対策しながら元気に過ごしたいものです。
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