早発卵巣不全(POF)と子宝漢方

現代では、30代や40代の女性でも月経が途絶えたり、ホルモン値が乱れたりして、妊娠が難しくなる「早発卵巣不全(POF)」が増えています。
西洋医学では主にホルモン補充療法や体外受精が選択されますが、根本的な原因解決には至らないケースも少なくありません。

漢方では、POFの原因を「腎精不足」として捉え、五臓の「腎」を中心に補います。
しかし、腎だけではなく「五臓」のバランスを整えることが、根本改善への近道ということも見逃せません。

腎は生命力の源であり、生殖機能にも深く関わります。
腎には「腎陽」と「腎陰」という2つのエネルギーが存在し、腎陽は体を温め、腎陰は潤いを与えます。
これらがバランスよく働くことで、月経や排卵がスムーズに行われるのです。
腎精不足が起きると、腎陽と腎陰の両方が低下し、卵巣機能も衰えがちになります。
そのため、補腎填精(腎を補い精を満たす)を目指す漢方が中心となります。

肝からの影響として、ストレスがかかると「肝」の働きが低下し、「肝血」が不足してしまいます。
これにより血虚が生じ、卵巣や子宮に十分な血液が届かなくなり、結果として月経不順や卵巣機能低下を招くこととなります。
ストレス解消には疏肝漢方薬と血を補うための補血生薬を含む処方が効果的です。

「脾」の役割は、胃腸の消化吸収を司り、「後天の精」を生み出す重要な臓腑と捉えています。
脾の働きが弱ると「精」や「血」も不足し、POFリスクは高まります。
食事が不規則であったり、暴飲暴食が続くと脾の負担が増し、栄養が十分に行き渡らなくなります。
脾を養い働きを補う補気薬が効果的です。

「心」は「こころ」でもあり「心臓」の役割も担います。
心の働きが乱れると気血の巡りが悪くなり、自律神経も不安定になります。
心を落ち着かせ、リラックスするには血行がスムーズで安定した状態を保つことが大切です。

POF(早発卵巣不全)といえば「卵巣機能」、つまり漢方で「腎」と連想されますが、体は一つ一つの臓腑が別個に機能しているわけではなく、五臓のつながりでバランスを取り合いながら全体として一つの役割を果たしています。
腎だけに注目するのではなく、五臓全体のバランスを整えることが結果的に卵巣機能を高めることになります。

この考えは体外受精の際に採卵をする場合も同様で、卵子の獲得だけを考えて精力増強のためのホルモン剤を与えればいいとはいえず、食事も睡眠も関係していると思います。

一陽館薬局では、心と体のつながりを大切にしながら、お客さまの状況に合ったご案内をしています。
適切な子宝漢方で効率の良い妊娠をめざしましょう。

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