排卵が不調になる理由〜FSH値シーソー〜
今回も採卵できずリセットになりました、とご相談くださるお客さまには、周期初旬のFSH値上昇が要因となっている場合もあります。
採卵に向けて薬による排卵誘発刺激を始めるとFSHが大幅に上昇し、そのFSHをホルモン剤により下げて仕切り直したものの、また排卵誘発剤により上昇・・と、FSHがアップダウンするとお困りの方もおられます。
FSHというのは、「卵胞刺激ホルモン」というもので、生理周期の初期に分泌されることで卵巣の中にある卵胞に成長のスイッチを入れ目を覚まさせるホルモンです。
通常、卵胞が育つとエストロゲンが分泌され、それを脳が感知して「もうFSHは十分」と判断しますが、排卵誘発剤のクロミッドなどは、エストロゲンのセンサーをブロックし「エストロゲンが足りていない」と脳に錯覚させることで、FSHの分泌が活発になり、卵胞が育ちやすくなります。
FSHの働きがあってこそ、妊娠への準備が始まるのですが、どうして問題になるのでしょうか。
とくに生理3日目前後にFSH値が高い場合は要注意です。
月経初期からFSHが高い理由として薬の影響以外にもさまざまな背景があります。
◎卵巣予備能(卵巣の力)が低下している場合は、 卵胞がうまく育たないため、脳は「もっと刺激しなきゃ」と判断し、FSHを過剰に出すことになります。
◎エストロゲンのフィードバックが弱い場合は、 卵胞が育たないとエストロゲンが出ないため、FSHを止めるサインが届かずFSHが出続けることになります。
◎閉経や早発卵巣機能不全(POI)の兆候として、卵巣が反応しにくくなると、脳は頑張ってFSHを出し続けます。
月経初期のFSHの高さは、卵巣からの“応答”が弱くなっているサインでもあり、特にFSHが10mIU/mLを超えてくると、予備能の低下が疑われます。
漢方では、FSHのような生殖ホルモンの乱れは「腎」の弱りと関係していると考えます。
「腎」は生殖やホルモン分泌をつかさどる源で、FSHが高すぎる状態は、腎のエネルギー不足や“命門の火”の衰えのあらわれとも言われます。
一陽館薬局では、”FSH高値=卵巣の弱り”の度合に応じて、漢方で整えていきます。
● 腎を補う
● 気血を巡らせる
● 血を養って卵巣に栄養を届ける
卵子の発育が進まず足踏みが続いている方は、体そのものの弱りを補い卵巣を元気にしていきましょう。
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