帝王切開後瘢痕症候群を知っていますか?
今日は冬至。
冬の夜空を長く楽しめる日ですね。
さて、医学は進歩し、その恩恵により救われる一方で、進歩の過程から初めて気づくリスクもあります。
「帝王切開後瘢痕症候群」というものも、そのひとつかと思います。
第2子妊娠を希望されるK様は、第1子のときもお越しくださいました。
妊娠中の経過は順調で、漢方からも離れておられましたが、産後に生理も回復したものの、体調不良が続いた為、ふたたび漢方で第2子妊娠に向けて体調を整えたいとのことです。
体調は順調に良くなられましたが、妊娠に至らず、体外受精に向けて専門のクリニックを受診されました。
なんとなく腑に落ちないままで、ようやく3軒目のクリニックで指摘されたのが、「帝王切開後瘢痕症候群」です。
「帝王切開後瘢痕症候群」とは、まさに帝王切開の傷跡が着床障害の原因となっているもので、不妊原因とわかってきたのは最近のことです。
不妊理由が見つかったものの、治療経験のある専門医もまだ少ないようで、懸命に情報収集に努められました。
Kさんは、不妊原因にたどり着くまでも大変でしたが、原因がわかっても解決できる糸口を探すにも大変でした。そして、その治療が成功した後、避妊期間をとり、あらためて妊娠をめざすこととなります。
Kさんは、こう言われます。
もしも帝王切開で出産された方があれば、教えてあげたい。
事前のリスクとして説明を受けていたら、もっと早く対応できたはず。
帝王切開が増えている中、このような事実をもっと多くの女性に知らせて、早く対応していただきたい、と。
彼女の努力を目の当たりにしてきた私にとって、少しでも彼女の思いを拡げるお手伝いができるといいな、と思います。
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