子宝漢方相談~PGT-Aを受けるか否か~
本日のご相談では、最高ランクの胚盤胞を3回移植し、着床せず。
原因として年齢的な卵子の質を指摘され、年齢的に焦りもありPGTAを受けようか迷っている、と言われます。
PGT-A(着床前胚異数性検査)は、不妊治療において体外受精や顕微授精によって得られた受精卵(胚)を培養し、胚の一部の細胞を採取して染色体異常の有無を検査する方法です。
これにより、染色体数が正常な胚(通常は46本、23対の染色体)を選択して子宮に移植することができます。
高齢での不妊治療を考えている方や、反復流産や着床不全を繰り返している場合、染色体異常が原因と考えられる不妊症の場合などに、高齢妊娠や流産リスクが高いケースでは検討されるようです。
染色体異常の検出、着床率や妊娠率の向上、流産率の低下には有効であるとされますが、注意点としては、侵襲性(胚から細胞を採取する)があるため、胚へのダメージリスクがゼロではない、正常な染色体数でも完全な保証ではなく妊娠が成立しないことがあるなどの他、費用は保険適用外のため高額になることが見込まれます。
さて、漢方でのとらえ方ですが、今回のお客さまの場合は、”胚盤胞を3回移植するも着床せず” という条件以外に、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫もあり、漢方でいう「瘀血」の体質に該当する血流の滞りが考えられます。
卵子の質も大切ですが、最上グレードの胚盤胞が複数できる状況からすれば、妊娠に必要なもう一つの条件である子宮環境が妊娠に適した状態に近づくほうが、急ぎ改善する余地がありそうです。
着床に好ましい環境を整えたうえで ”着床しない” となれば、やはりグレードは最上であっても染色体レベルで着床に向かない状態を含んでいることも考えられるかもしれません。
しかし、漢方的側面からみれば瘀血の程度としては見逃すことはできないと思います。
漢方では、現在すでに存在している子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫を問題とするのではなく、このような病症が発生するような体質的瘀血が重大な問題であると考え、「駆瘀血」「活血」など積極的に瘀血(=血の巡りの滞り)の改善を目ざします。
検査でご自身の状態を知ることは大切なことですが、検査でもし問題点があった場合にそのことは治療可能なことか、また、検査はあくまでも検査でありそれが妊娠に直接つながることとは別問題、という認識をもっておくべきかと思います。
不妊治療だけでなく、食事や生活面、サプリの選び方など、妊活に関する情報や商材が多すぎて結局自分に本当に必要なものが見えづらくなっている方が多いと感じます。
一陽館薬局では、「こんな時どうする?」といった悩みもご相談いただけます。
当店で漢方をご利用中のお客さまは定期的に無料でカウンセリングを承ります。
子宝相談歴25年の経験と実績からお客さまのご要望に合ったアドバイスをさせていただきますのでご安心ください。
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