”妊活疲れ”の回復も「妊活」です ~漢方で整える「心と体」~
「頑張っているのに結果が出ない。」
と打ち明けられることがあります。
「生理が来るたびに気持ちが沈んでしまう。」
「以前のように前向きな気持ちで治療に向き合えない。」
“結果”が出るまでには、もどかしさを感じることもあるでしょう。
「妊活疲れ」
採卵や移植、通院、仕事との両立、経済的な負担、周囲との人間関係など、妊活にはさまざまな負担が重なります。
願いがかなう日までの我慢だ、皆がやれていることだ、
と本心に気づかないふりをしようと無理し過ぎていませんか。
ストレスは体にも影響します
ストレスを受けると、自律神経や内分泌系が影響を受けることが知られています。
睡眠の質が低下する。
食欲が落ちる。
疲労感が抜けない。
肩こりや頭痛が続く。
月経前になると気分の波が大きい。
不妊治療では、ホルモン治療による影響が加わる場合もあり、心身への負担はさらに大きくなることがあります。
漢方では「心」と「体」は一つ
漢方では、精神的な緊張も体の働きの一つとして捉えます。
例えば
「肝」の働きを挙げると、
肝には、気血を全身へ巡らせ、精神活動を安定させる役割があると考えられています。
強いストレスが続くと、肝の働きが十分に発揮されず、「気滞」の状態になることがあります。
気滞が続くと、胸がつかえる感じやため息が増える、月経前の不調、生理痛などを伴う方もいらっしゃいます。
さらに長期間続くと、睡眠や食欲にも影響が及び、気血の不足や瘀血など、複数の不調が重なることもあります。
このように、
精神面のバランスの乱れ→感情と関連する臓腑の乱れ→臓腑機能の乱れ→全身の神経系+機能系のトラブル
という図式でさまざまなトラブルへと波及していきます。
「妊活疲れ」といっても人それぞれ
同じように気持ちが落ち込んでいても、その要因や体質はお一人おひとり異なります。
●「気虚」=疲労感が強い
●「血虚」=顔色が淡く、めまいや動悸を伴う
●「気滞」=イライラや胸の張りが目立つ
●「陰虚」=寝汗やほてりを伴う
このように、漢方では体質を見極めながら処方を組み立てることを大切にしています。
体が整うと、心も自然と元気になれます。
漢方相談では、
「よく眠れるようになった。」
「以前ほど疲れが残らなくなった。」
「生理前の気持ちの波が穏やかになった。」
このようなお話を伺うことがあります。
もちろん、漢方が妊活中の不安や悩みそのものを解決するわけではありません。
しかし、睡眠や食欲、疲労感などが改善し、心身の状態が穏やかになることで、ご自身の選択や治療へ向き合う余力が生まれる方もいらっしゃいます。
まとめ
妊活疲れは、年齢や気持ちの問題だけではありません。
長期間にわたる通院や治療、生活の変化は、心にも体にも少しずつ負担を与え続けます。
漢方では、肝・脾・腎の働きや、気・血・津液の状態を総合的に確認し、体質に合わせた治療を考えます。
妊活を続けるためには、「頑張る力」だけでなく、「回復する力」も大切です。
心身の状態を整えることは、妊娠へ向けた体づくりを支える大切な一歩になります。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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