妊活成功のカギとなる「バランス」とは

最近のお客さまの多くは、「妊活サプリ」を利用され、中には不妊治療のクリニックで購入されている場合もあります。
いわゆる「妊活サプリ」にも、栄養補助的なもの(葉酸やビタミン類など)、抗老化的なもの(DHEA、ミトコンドリアなど)、ホルモン強化的なもの(マカ、イソフラボンなど)他、さまざまな種類があり、各種アイテム数は数えきれないほどでしょう。

ところで、ご自身が利用されているサプリメントの選択基準はどこにありますか。
漢方は、これらのサプリメント類とはまったく考え方もアプローチも違います。
今回は、妊活成功のカギとなる「バランス」について漢方的視点から考えたいと思います。

妊活においても「バランス」は最も重要なテーマの一つです。
特にホルモンバランスや自律神経の調整、不妊治療で使用される薬やサプリメントの選び方、そして体の「陰陽バランス」を整えることが、妊娠しやすい体づくりには欠かせません。

まずは一般的なバランスの考えとして「ホルモンバランス」の重要性についてご紹介します。
妊娠に関わるホルモンには、エストロゲンやプロゲステロン、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体形成ホルモン)などがあり、これらが適切に分泌されていることが妊娠のための基本条件ですが、とてもデリケートでさまざまな影響を受けながらバランスを保っています。

ホルモンバランスが乱れる原因には、ストレスや睡眠不足による自律神経が乱れ、体重の急激な変動、加齢による卵巣機能が低下、不妊治療でのホルモン剤の副作用などが考えられます。
特に、自律神経バランスの調整がうまくいかないとホルモン分泌にも影響します。
自律神経は交感神経と副交感神経という活動と休息の神経が常にバランスを保っていますが、特に不妊治療中は、心身の負担がかかりやすいため、せっかくの不妊治療を効果的に支えるには自律神経の調整がポイントとなる場合もあります。
仕事が忙しかったりや日常生活が立て込んで緊張が抜けないなどは精神的にも身体面にもストレスがかかることとなります。

「自律神経の乱れ」のサインとしては、基礎体温がギザギザして安定しない、月経不順や排卵障害が起こる、冷えやのぼせが交互に現れる、便秘と下痢を繰り返す、月によって生理痛の度合いが異なる、など偏りや不安定さが感じられます。

次に、多くの方に知っていただきたいのは、不妊治療薬やサプリメントが関係する「バランス」です。
不妊治療ではホルモン補充療法や排卵誘発剤が使われることが多いですが、当然のこととして人工的にホルモンバランスを乱すことになります。
不足しているから補充することと必要な分泌が行われバランスを保つこととは違います。
サプリメントでは、いわゆる作用の強いものを求めがちですが、一時的な強壮作用を期待したものは不自然なバランスの偏りを生み、かえって負担をかけることになる場合もあります。

ホルモン剤使用のリスクも ”ご自身のこと” としてしっかり認識しておくべきことでしょう。
エストロゲン補充剤(プレマリン、フェマーラなど)は、卵胞の成長促進や子宮内膜を厚くする目的で使用されることが多いものですが、過剰だと副作用として月経過多や頭痛、血圧上昇などが起こる場合があります。
排卵誘発剤(クロミフェン、クロミッドなど)は、排卵を促進し卵子を成熟させる目的で使用されますが、効き過ぎると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクを伴います。
黄体ホルモン剤(プロゲステロン、デュファストン、ルトラールなど)は、高温期の体温を高くして期間を長く保つ目的ですが、眠気や吐き気のほか効き過ぎると生理が始まっても高温期の体温のままだったりする場合もみられます。

強壮作用のあるサプリメントについても注意したい点があります。
「マカ」は、体を温めて気力を高める作用が特徴ですが、熱がこもりやすいタイプには合いません。
「亜鉛サプリ」は、過剰摂取で胃腸に負担をかけることがあり、「ローヤルゼリー」や「イソフラボン」など女性ホルモン様作用とされるものは、ホルモン治療中には注意が必要です。

このような「量」的なバランスの崩れや「合う・合わない」という選択とは区別して「陰陽バランス」を意識した調和があります。

陰の充実は、良質な卵子や子宮内膜の発育に必要であり、陽の充実は、子宮の温かさや血流促進に必要です。
陰は血や体液を象徴し、子宮や卵巣を潤し、妊娠環境を整える働きを担います。
陽はエネルギーや血行促進を象徴し、子宮や卵巣を温める働きを担います。
陰と陽はどちらか一方が強すぎても弱すぎても調和が乱れ、妊娠力の低下につながるといえます。

陰が不足している状態(陰虚)のサインとしては、月経量が少ない、または無月経、基礎体温が高温期でも不安定、のぼせや寝汗があるなどがあります。
陽が不足している状態(陽虚)のサインとしては、体の冷えが強い、特に下半身が冷える、基礎体温が全体的に低い、むくみやだるさがあるなどがあります。

ホルモンバランス、自律神経バランス、薬やサプリメント選び、そして陰陽バランスまで、妊活ではあらゆる「バランス」を整えることが成功のカギです。
漢方では内臓機能のほかに、気血水、陰陽といった各視点からバランスのとれた体づくりをめざすことができます。

一陽館薬局では、体質やライフスタイルに合わせたオーダーメイドの漢方相談を行っています。不妊治療やサプリメントの選び方に悩んでいる方も、ぜひご相談ください。
お一人お一人のバランスを見極め、最適なサポートをいたします。

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