妊娠を消耗する日常習慣「五労」

漢方では、同じ動作や姿勢を長時間続けることで、五臓の働きが偏り、気血の巡りや回復力が低下すると考えます。

これを「五労(ごろう)」といいます。
・歩きすぎ
・目の使いすぎ
・座りっぱなし
・横になりすぎ
・立ちっぱなし

現代は、スマホ・パソコン・デスクワークによって、一部の臓器や神経だけを酷使しやすい環境です。

妊活中は特に、卵巣・子宮へ安定して血液が送られること、自律神経が過緊張にならないこと、十分な睡眠によってホルモン分泌が保たれることが重要になります。

そのため、「五労」が続く生活では、
・基礎体温が安定しない
・排卵後の高温期が短い
・生理周期が乱れやすい
・PMSが強い
・疲労感が抜けない
・眠りが浅い
といった状態につながることがあります。

たとえば、動き過ぎや歩き過ぎは、「肝血」を消耗しやすくなります。
肝は、血を蓄え、自律神経や筋肉の緊張を調節する働きと関係します。

肝血が不足すると、
・生理前にイライラしやすい
・排卵期に下腹部痛が出やすい
・筋肉がこわばる
・経血量が減る
といった傾向がみられることがあります。

また、長時間のスマホやパソコン作業は、「血」を消耗し、脳の興奮状態を長引かせます。

漢方では「久視は血を傷る」といい、目の酷使は不眠や動悸、不安感とも関係すると考えます。

妊活では、睡眠中に分泌されるホルモンや、自律神経の切り替えが重要なため、夜間の光刺激や情報過多は想像以上に身体へ負担をかけています。

さらに、座りっぱなしの生活は、「脾」の働きを低下させ、気血を生み出す力を弱らせます。

脾は、食べたものをエネルギーと血液へ変換する働きに関係するため、
・食後に強い眠気が出る
・むくみやすい
・下腹部が冷える
・胃腸が弱い
という状態では、十分な栄養や血液を卵巣まで届けにくくなります。

反対に、横になり過ぎる生活では「肺気」の巡りが低下し、気力や代謝が落ちやすくなります。

朝から身体が重い、やる気が出ないという方は、呼吸が浅くなっているケースもあります。

そして、立ちっぱなしや無理を続ける生活は、「腎」に負担をかけます。
漢方でいう「腎」は、卵巣機能・成長・加齢・生殖力と深く関係し、「腎精」は妊娠力の根本エネルギーと考えます。

慢性的な疲労、睡眠不足、冷え、過労が続くと、腎の消耗につながり、
・採卵数が安定しない
・卵胞発育に時間がかかる
・回復力が低下する
といった状態として現れることもあります。

妊活では、「もっと頑張ること」よりも、身体が回復できる環境を整える考え方が大切にしましょう。

長時間同じ姿勢を続けないこと。
夜は脳を休ませ、深く眠ること。
下半身を冷やさないこと。
疲労を翌日に持ち越さないこと。

日々の積み重ねが、気血の巡りを整え、卵巣や子宮が働きやすい身体づくりにつながっていきます。
わかっているけど、つい・・・という方は、一緒に対策を考えてまいります。

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