初潮が早いと不妊になりますか?

初潮が早いと不妊になるのでしょうか。

「私は初潮が10歳でした。」
「初潮が早かった人は閉経も早いから妊娠しにくいと聞きました。」
妊活相談では、このようなご質問を受けることがあります。

結論から申し上げると、初潮が早かったこと自体を不妊の原因と考える必要はないと考えられます。
卵巣機能としての閉経により妊娠が難しくなることと、体質としての妊娠しづらい状態ということは、違うことだと思います。

確かに、疫学研究では初潮年齢と女性の健康との関連が数多く報告されています。初潮が極端に早い女性では、肥満やインスリン抵抗性、代謝異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮内膜症などとの関連が示された報告もあるようです。

しかし、それらは「初潮が早いから不妊になる」という因果関係を示したものではありません。

大切なのは、初潮が早くなった要因としてどのような体質や内分泌環境が関係しているかという点です。

漢方では、初潮は腎気が充実し、生殖機能が成熟し始めた一つの節目と考えます。
ところが、同じ早い初潮でも、
・腎精の成熟過程に偏りがあるタイプ
・痰湿による代謝異常を伴うタイプ
・瘀血によって骨盤内循環が低下しているタイプ
・陰虚や血熱によって発育が早まるタイプ
などさまざまです。

つまり、「初潮が早い」という現象だけを見ても体質は判断できません。
その後の生活リズムや運動習慣や食事、ストレス環境など、初潮以降の過程により、妊娠に適した体質は養われます。

妊娠力を考える上では、”現在”の生殖機能が大切だと思います。

月経周期が規則的に推移しているか。
排卵は安定しているか。
黄体機能は十分か。
子宮内膜は着床に適した状態か。
卵巣予備能は保たれているか。

基本的要素に加え、さらに漢方では、「気・血・津液・腎」の状態から総合的にとらえます。

血虚や瘀血があれば子宮内環境に影響し、腎虚は卵巣機能や加齢変化にも関係してきます。
胃腸機能の低下によって十分な「血」が作られなければ、良好な卵胞発育も得られにくくなります。

実際、一陽館薬局でも初潮が早かった方が自然妊娠された例は数多くありますし、反対に平均的な初潮年齢でも体質の乱れから妊娠しづらくなっていると考えられる方もおられます。

妊娠しやすい身体づくりは、現在の体質を正しく見極めることから始まります。
それが漢方相談の大きな役割だと考えています。

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