不妊治療保険適用と体づくり
4月から始まる不妊治療の保険適用について、漢方をご継続中のお客さまからも、さまざまなご意見を伺うことが増えてきました。
いずれにしても、不妊治療の保険適用により、妊娠に向けてのチャンスが拡大するならば、メリットも大きいと思っています。
ですが、中には期待が大きすぎて理想と現実のギャップを感じる可能性もあるかと思いますので、従来の助成金という仕組みとの兼ね合いや、対象範囲など、「私の場合はどうなの?」という視点から具体性をもって情報収集されることも大切なことかと思います。
どのような治療が必要なのか?といった「妊娠するための手段」はどうであれ、漢方では一貫して「体づくり」をおすすめしてまいります。
たとえば、一陽館薬局でのデータではありますが、生理痛がある女性とない女性での妊娠までの期間を単純比較した場合、生理痛がある女性では半年程度妊娠までに長く時間がかかっているというのです。
これは、自然妊娠だからとか体外受精だからとかいう手段の違いではなく、「妊娠しやすさ」と生理痛が、少なからず関連しているのではないかと考えています。
妊娠しづらい場合に、医学的に不妊原因を検査し治療することは大切だと思いますが、たとえば、漢方では先ほどの生理痛を代表とする日常の不調・・冷え性と生理痛の関係、ストレスと生理不順の関係、睡眠不足や慢性的な疲労と精力の関係・・こういったことも一因としてとらえています。
妊娠しづらい時の体調や生活習慣をそのままにして、不妊治療を受けたとしても、体そのものの妊娠しづらさが解消されないままでは、効率があがらないのではないかと思います。
誰もが承知しているはずの「授かりやすいカラダ」とは、一言でいうと「元気であること」だと思います。
元気とは、心身ともに快調であること。
妊娠の中心となる子宮や卵巣も、それぞれが単独で働くわけでなく、身体の一部としてさまざまな機能と連携していると思います。
たとえば、疲れやすい、とか、便秘や肩こりという不調も体力の不足や、血流の滞りが原因だとすれば、それは子宮や卵巣にも通じますし、ストレスや忙しさで自律神経のバランスを崩すことがあれば、ホルモンバランスにも影響して生理不順になったりするかもしれません。
元気であることは、言い換えれば、妊娠においては、生理が順調で不快感や不調を伴わない状態、ということだと考えています。
食事、運動、生活リズム、精神状態など、偏りすぎず、シンプルにぶれずに取り組みを重ねることも大切だと思います。
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