不妊原因になりうる病気と漢方〜高プロラクチン血症〜
生理周期が不安定となる原因として「高プロラクチン血症」がありますが、個人的な感覚としては、日頃とても忙しい方、慢性的にストレスを抱えている方に多く見られるように思います。
排卵がうまくいかない、生理周期が不規則など妊娠成立の基本となる機能が不調だと、大きな不安や悩みとなるのではないでしょうか。
プロラクチンとは、本来は出産後に母乳を分泌させるためのホルモンですが、妊娠していない時期にこのホルモンが過剰に分泌されると、排卵を抑制してしまい、不妊の原因となっている場合もあります。
高プロラクチン血症の原因には、脳の下垂体にできる良性腫瘍や、甲状腺機能低下症、さらには一部の薬(抗うつ薬、胃薬など)の副作用が含まれますが、はっきりとした病変がなくても、慢性的なストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れからプロラクチン値が高くなるケースも見受けられます。
医学的な治療としては、プロラクチン分泌を抑える薬を服用するのが一般的ですが、漢方では数値的なコントロールだけでなく、「体全体のバランス」を整えることで妊娠しやすい状態をつくるという視点から整えていきます。
漢方では、高プロラクチン血症によって引き起こされる不調を、単なるホルモンの問題と捉えるのではなく、主に「肝鬱」「瘀血」「腎虚」といった体質の偏りとして対処していきます。
特に注目したいのは、ストレスによって「気」の巡りが滞る「肝鬱(かんうつ)」で、それでなくても毎日の忙しい生活、仕事や人間関係、将来への不安など、身の回りはストレスだらけですが、その上、妊活の心身にかかるストレスは多くの方が抱えきれない状態かもしれません。
ストレスが続き、無理をし続けると自律神経のバランスが乱れ、それに連動してホルモンの調整も難しくなります。
プロラクチン値が高い、という現実がさらにストレスに拍車をかけて悪循環になってしまうと複雑なバランスの乱れを誘発することも考えられます。
ストレスを減らす生活を意識しても実際のところなかなか思うようにはいきませんよね。
そんな中で少し工夫してみる余地があるとしたら「睡眠」です。
プロラクチンは夜間、特に深い睡眠中に多く分泌されるという性質があり、睡眠の質が悪いとプロラクチンの分泌リズムが乱れ、慢性的に高い状態へとつながります。
睡眠の質を高める工夫・・それは高性能な寝具をそろえればいいという問題ではなく、ほんの少しスマホ時間を短くする、夜遅い時間には甘いものやインスタント食品や加工食品を控える、深呼吸やゆっくり呼吸するなど呼吸を整える、など大げさな費用や時間をかけずにご自身で今日からできることを、少しでもいいから続けてみる、これだけでも心身の緊張はほぐれるのではないでしょうか。
甘いものも、ゲームやスマホも、ストレス発散のために・・と言われる方もおられますが、程度の問題で、「脳が活動モードに傾かない程度」が、ストレス発散にも効率がよいと思います。
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