不妊と関係ありますか?~排卵痛とは~
漢方を始めて程なくして多くのお客さまが驚かれる現象として「排卵」に関する変化があります。
今まで排卵日が遅れがちだったり不規則だったりする方にとっては、「排卵のサイン」として「排卵痛」を感じている方もいらっしゃると思います。
毎月の月経周期の中間=排卵日ごろに感じられる下腹部や骨盤周囲にチクチク、ズキズキとした痛みは「排卵痛」と言われます。
医学的には「中間期痛」「排卵期疼痛」とも呼ばれ、女性の約半数が一生のうちに一度は経験するといわれています。
排卵痛はその名のとおり、排卵のタイミングに起こる生理的な痛みですが、その痛みの強さや頻度には個人差が大きく、ほとんど気づかない程度から日常生活に支障をきたすほど強く感じるなど、さまざまです。
排卵痛は、排卵の際、卵巣内で成熟した卵胞が破れて卵子が飛び出す際に、卵胞の膜が裂けることで卵巣の表面が刺激され、さらに卵胞から流れ出た卵胞液や少量の出血が腹腔内に広がることで、下腹部に痛みとして感じるものですが、痛みに対する感受性の違いや、骨盤内の炎症・癒着などの状態、またはホルモンバランスの変化による自律神経の影響などが関係して度合いは異なります。
また、ホルモン変動による自律神経の乱れが影響して、腹痛だけでなく便秘や下痢、胃のむかつきなどの消化器系の不調を感じる方もあります。
「排卵痛があるのが当たり前」という方にとっては、「不妊」というキーワードに驚かれる方もいらっしゃいます。
もちろん「排卵痛があると不妊」というわけではありません。
しかし、私のカウンセリングの中では、少なからずのケースで子宮内膜症や骨盤内癒着といった妊娠を妨げる要因となりかねない婦人科系トラブルを抱えている場合も見受けられることから、不妊の原因となっている体質を探るひとつのチェックポイントとしてとらえています。
つまり、排卵という現象にともなって少々の違和感はあるにしても、その違和感は日常生活に影響する程度ではないのがスムーズな状態を表していると思います。
漢方では、排卵痛は単なる“排卵時の現象”としてではなく、「気血の巡り」が滞ることで起こる痛みととらえます。
特に体質や生活環境による影響をあげてみます
◎瘀血=血液の流れが滞っている状態をいい、長時間の座り仕事、冷え、過去の手術や出産の影響なども関係する場合があります。
◎気滞=ストレスや緊張によって「気」の流れがスムーズでなくなっている状態で、イライラや憂うつ感も出やすいのが特徴です。
これらが影響すると、排卵のタイミングでお腹が張る、痛みが強くなる、気分まで落ち込むなどの症状が出やすくなり、さらに、冷え性や慢性的な疲労も、気血の巡りを妨げ、排卵痛の悪化要因となるため注意が必要です。
一陽館薬局で、妊娠に向けての体づくりを始めて、子宝漢方を取り入れると早ければ1~2周期目からでも、排卵日の安定とそれにともない排卵痛も解消してくることが考えられます。
排卵痛を排卵のサインとして頼るのではなく、スムーズな生理周期をつくっていくよう認識を新たにしていただくと、体質改善への理解も深まると思います。
※ブログで取り上げて欲しいテーマはInstagramDMまたは公式LINEメッセージにて受付中
◎陽子先生妊活Instagram
この記事へのコメントはありません。