アレルギー体質にみられる”炎症体質”と妊娠の関係
秋になると、鼻炎や皮膚のかゆみなど、アレルギーに関するご相談が増えてきます。
アレルギーは、免疫が特定の物質に過敏に反応することで起こります。鼻水やくしゃみ、皮膚の赤みなど、目に見える症状が出ることもあれば、症状が落ち着いていても炎症が続いている場合もあります。
最近、健康や妊活の分野でも「慢性炎症」という言葉を耳にする機会が増えました。
慢性炎症とは、身体の中で炎症反応が長く続いている状態です。肥満や糖代謝の異常、歯周病、子宮内膜症など、さまざまな病気との関連が研究されています。
では、アレルギー体質にみられる炎症と、妊娠にはどのような関係があるのでしょうか。
炎症が妊娠に関係するのはなぜ?
妊娠の成立には、卵子や精子の状態、排卵、受精、胚の発育、子宮内膜の状態など、多くの過程が関係します。
さらに、妊娠初期には母体の免疫機能が適切に調整され、胚を受け入れ、妊娠を維持できる環境がつくられます。
炎症反応が過剰な状態や、免疫の調整に関わる異常があると、卵巣機能や子宮内膜の環境、妊娠経過に影響する可能性が研究されています。
例えば、子宮内膜症では局所の炎症や免疫反応の変化が、妊娠しにくさに関係することが知られています。
また、肥満や代謝異常に伴う慢性炎症も、生殖機能との関連が指摘されています。
ただし、アレルギー体質そのものが不妊の原因になるわけではありません。
アレルギー性鼻炎や皮膚炎がある方が、必ず妊娠しにくくなるということでもありません。
大切なのは、アレルギーの有無よりも炎症を伴う病気や生活習慣などから全身の状態を合わせて見ていくことです。
慢性炎症と関係する身体の状態
慢性炎症との関連が研究されているものには、次のような状態があります。
– 睡眠不足や慢性的なストレス
– 内臓脂肪の蓄積や肥満
– 血糖値の異常やインスリン抵抗性
– 歯周病
– 子宮内膜症などの慢性炎症性疾患
これらは、それぞれ異なる仕組みで体に影響します。
例えば、睡眠不足やストレスが続くと、ホルモンや自律神経の調整に影響することがありますが、肥満や血糖代謝の異常では、脂肪組織などから炎症に関わる物質が産生されます。
このような状態が妊娠にどう関係するかは、原因や程度によって異なります。
複数の要因が重なっている場合には、生活習慣や持病も含めて、きちんと見直してみることも大切です。
漢方では「瘀血・湿熱・気滞」に類する
漢方では、体の不調の要因をあらわす「炎症」という表現をもう少し分類してとらえます。
例えば、血の巡りが滞った状態は「瘀血(おけつ)」、
余分な水分と熱が重なった状態は「湿熱(しつねつ)」、
ストレスなどで気の巡りが滞った状態は「気滞(きたい)」
と分類します。
アレルギー症状がある方でも、鼻水やくしゃみが中心なのか、皮膚の赤みやかゆみが強いのか、胃腸の不調やむくみを伴うのかによって、適した漢方処方は異なります。
このような漢方の考えは、医学的な炎症反応とそのまま対応するものではなく、症状のあらわれ方や体全体の状態を確認するための、漢方独自の見かたです。
妊娠を考えるなら、炎症を含めた体全体を見直したい
妊活が長引くと、検査で不足しているものを探したくなることがありますが、それよりも、まずは慢性的な疲労、睡眠不足、代謝の問題、アレルギー症状など、日常の体調に目を向けることが大切です。
一陽館薬局では、アレルギー症状だけでなく、生理の状態、食欲、便通、睡眠、疲労、ストレスなども伺いながら、瘀血・湿熱・気滞といった体質や、胃腸の調子、腎精の過不足などから体質を判別しています。
アレルギーは、妊娠までに飲んできた薬が妊娠中も服用可能とは限りませんし、できれば妊娠中も安心してできるご自身に合った対策を、妊活中に見つけておかれるほうがよいでしょう。
さらにアレルギー体質や慢性炎症傾向そのものを改善して、妊娠を迎えることができれはベストではないでしょうか。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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【子宝漢方と不妊相談の一陽館薬局】
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