これも不妊症?〜習慣性流産〜

妊娠反応が陽性になるたびに、充実感と期待に満ちる一方で、数週間後には流産の診断を受けることになってしまって・・今回3回目です。
染色体異常でもなく、特に原因もなく、「妊娠の神様から見捨てられているような気持ちです」とご相談で言われました。
そのテンションの落差は大きく、喪失感と不安に包まれるのも理解できます。
「習慣性流産」は、妊娠はするものの、出産に至らないという意味からすれば“もう一つの不妊症”とも言えるのではないでしょうか。

習慣性流産とは、医学的には「2回以上の連続した流産」を指します。
自然流産は全妊娠の10〜15%に起こるとされますが、繰り返す場合は明確な原因が存在する可能性があり、検査や治療の対象とされます。

医学的な原因としては、染色体異常、子宮の形態異常(中隔子宮など)、内分泌異常(黄体機能不全、甲状腺機能異常など)、血液凝固異常(抗リン脂質抗体症候群)などがあり、免疫の異常や慢性的な炎症、さらには明確な異常が見つからない「不明原因」のケースも存在します。

習慣性流産に対する医学的な対応としては、まず原因の特定から始まります。
染色体検査を行い、子宮の形態を確認するためのMRIや超音波、ホルモン検査、血栓性素因の有無を調べるための血液検査など、広範な検査が行われ、原因が特定できた場合には、それに応じた治療が行われます。
例えば、黄体機能不全に対しては黄体ホルモン補充、抗リン脂質抗体症候群に対してはアスピリンやヘパリンの投与などが一般的です。

漢方では、流産を「胎漏」や「滑胎」と表現し、母体の“妊娠を維持する力”が不足している状態ととらえます。
この「妊娠を支える力」は、主に「腎」「脾」「肝」のバランスから考えます。

「腎」は生命力の源であり、生殖機能を司る臓で、とくに高齢妊娠や体力低下がある場合は、”腎虚”が関係していると考えられます。
「脾」は栄養を全身に巡らせる働きがあり、”気血の不足”による胎盤の栄養不良を招きます。
「肝」は気血の流れをスムーズに保ち、情緒の安定にも関わります。ストレスが強い方では、”肝気鬱結”や”血瘀”によって胎盤の循環が妨げられ、流産につながることもあります。

つまり、漢方では「妊娠はできるけれど、それを維持する力が足りない」という点に着目し、体質を丁寧に見極めながら、根本から”妊娠の持続力”を高めることをめざします。
補腎薬や補血薬、補気薬、駆瘀血薬などを組み合わせ、個々の状況に合わせた処方が必要と考えていきます。

「妊娠を維持する力」を高めるには、心と体のケアも合わせて考えます。
身体を冷やさない工夫、血流の安定を意識し、過度なストレスを避け、睡眠をしっかりとることが大切です。

一陽館薬局では、流産を繰り返すときに起こる「また流産したらどうしよう」といった不安についても、まずは一人で抱え込まず相談するといった心の養生を大切にしています。
習慣性流産は「妊娠はできている」からこそ軽視されがちかもしれませんが、「妊娠の成立」から「出産に至るまで」には、「妊娠を維持する力」が不可欠な要素です。
繰り返す流産には何か必ず理由があるはずです。体質改善によって妊娠の持続力を高めることができるようサポートしてまいります。

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