きっかけは五月病
ゴールデンウィークが明けるとともに、なんだか調子が悪い・・「5月病」が増える時期に入ります。
5月病は真面目で責任感の強い人、環境に敏感な人に多い傾向があるといわれ、完璧主義傾向が強い人ほど「うまくやらなければ」というプレッシャーに自らを追い込みやすく、無意識にストレスを蓄積することから心身のバランスを崩してしまいます。
春、新年度の始まり。進学や就職、異動など新しい環境に身を置く人々にとって、4月は高揚感と緊張が入り混じり、ちょうどその緊張が少し緩む5月の連休明け頃から、心と体に不調を訴える人が増えます。
これがいわゆる「5月病」です。
「5月病」という名称は医学的な正式名称ではなく、一般的には適応障害やうつ病の軽症型として分類されることが多い状態です。
特定のストレス因子、たとえば新しい人間関係、仕事のプレッシャー、生活リズムの変化などに対して適応がうまくいかず、心身にさまざまな症状が現れます。
5月病の症状を挙げてみます。
・抑うつ気分(憂うつ、やる気が出ない)
・不安感、焦燥感
・不眠または過眠
・食欲不振または過食
・倦怠感、疲労感が取れない
・集中力の低下、仕事や学業のパフォーマンス低下
・頭痛、胃痛などの身体的愁訴(「自律神経失調症」など)
5月病の背景には、自律神経系のアンバランスも大きく関係しています。
春から初夏にかけては、寒暖差や気圧の変化が大きく、自律神経の調節機能に負担がかかりやすい時期です。
自律神経が乱れることで、睡眠や消化、ホルモン分泌にも影響が及び、心の状態にも不安定さが生じやすくなります。
漢方では、春は「肝」の季節とされます。
「肝」は、気血の流れを調整し、感情のコントロールにも関わる重要な臓腑です。
緊張やストレスが重なると、「肝気鬱結」という状態になり、気の流れが滞ります。
その結果、イライラ、落ち込み、月経不順、消化器系不調など、心身両面に不調が現れるのです。
5月病を予防・改善するためには
◎リズムのある生活を取り戻す
ゴールデンウィーク中の生活の乱れをリセットし、起床・就寝時間を安定させることが大切です。
太陽の光を浴びることで、セロトニンの分泌が促され、心の安定に役立ちます。
◎適度な運動と呼吸法
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血流や気の巡りを促進し、心身をリフレッシュさせます。
深呼吸を意識することで副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。
◎感情をため込まない
話せる相手に気持ちを言葉で表現することは、ストレスの解消に有効です。
書き出す、日記をつけるといった方法もおすすめです。
一陽館薬局では、肝気の滞りや自律神経の乱れに対応する漢方薬によりが個々の体質に応じて、心身の安定をはかります。
安定した状態で赤ちゃんを迎える体づくりを進めるには、身体だけが好ましい状態に整うわけにはいかず、身体が良好であるには、心の健やかさとの両輪がしっかり揃ってこそ成果が上がると思います。
5月病は、個人の適応力だけでなく、職場環境や気象要因など多面的な要素が関与する現代的な課題でもあり、一時的なもので済むこともあれば、慢性化して本格的なうつ状態に移行することもあります。
春の疲れが心に出やすいこの時期、「なんとなくつらい」という”体の声”に耳を傾け、自分を責めずに立ち止まることも、心身の回復には必要かもしれません。
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