ステロイド剤と妊活
生理の量が減ってきたのが気になります。
年齢的に仕方ないのでしょうか?
ご相談の中で、ここ数か月、経血量が少ないと言われます。
・・・ここ数か月?
といえば、ちょうど持病が再発し「ステロイド剤」を服用されている時期に重なります。
「ステロイド剤」は、魔法の薬と呼ばれるほど、少々難義な症状にも高い抑制作用があります。
しかも速く効きます。
ただし、その反面、私たちにとっては不利な作用である「副作用」も難義な影響を及ぼします。
個人差や服用期間や量によってもさまざまですが、一般的な例をあげます。
ステロイドの副作用
・易感染性:免疫力が低下するため感染症にかかりやすくなります。手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなど感染症対策をして下さい。ステロイドの内服量が多い時は感染予防の薬を内服することもあります。
・糖尿病、高脂血症、高血圧:過食をしない、塩分制限などの食事療法を行うことが大切です。場合によっては、糖尿病・高脂血症治療薬や降圧薬を内服することがあります。
・消化性潰瘍:胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬を内服します。
・骨粗鬆症:骨が脆くなりやすいため予防薬(ビスホスホネート薬など)を内服します。
・満月様顔貌:脂肪の代謝障害により起こります。ステロイドの減量で改善します。
・精神症状:不眠症やうつ病になることがあります。重症な場合は抗うつ薬を内服します。
・その他:白内障、緑内障、ステロイド筋症、生理不順、痤瘡などがあります。
・使用上の注意点
ステロイドを長期的に内服した場合、体内でステロイドホルモンが分泌されなくなることがあります。そのため、急に薬の内服を止めると体内のステロイドホルモンが不足し、倦怠感や血圧低下、吐き気、低血糖などの症状が起こることがあります。これをステロイド離脱症候群といいます。自己判断で内服を中止しないようにして下さい。https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/fukujinhishitsusteroid/
不妊治療のホルモン療法でも経血量が極端に減ったというお声もありますし、どこからが何の影響かを特定することは難しいのかもしれません。
でも、妊娠・出産を望むかたには、着床にかかわる子宮内膜や赤ちゃんの栄養となるとても大切な血液といえます。
卵子の質が良くても、育つための子宮環境に不足があると、育つべきものも育つことができなくなります。
ご自身のことを一番わかっているのは、自分自身に他なりません。
「年齢のせい」にして、大切なポイントを見逃してしまうことのないようにしていきましょう。
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