風邪による生理周期への影響
風に冷たさを感じ始めると ”風邪をひいた” というお声が聞かれるようになります。
今年はインフルエンザも早い時期から流行期に入り、コロナも相変わらず感染者が途切れることがありません。
妊娠を希望しておられるとご自身の生理周期の変化を注意深く意識されている方もいらっしゃると思います。
「生理が遅れた」
「排卵日がずれた気がする」
といった「風邪」と「生理周期の乱れ」の関係についてお気づきになることもあるのではないでしょうか。
そもそも生理や排卵は“体調のわずかな変動”にも敏感に影響を受けます。
西洋医学では、生理周期は「視床下部―下垂体―卵巣」のホルモン軸が指令を出して動いています。
ところが、風邪で熱が出たり、食欲が落ちたり、睡眠が乱れたりすると、体は「まず免疫を優先させる」方向に働き、ホルモンバランスが一時的に不安定になります。
風邪による炎症反応で産生される炎症性物質や、ストレスホルモンであるコルチゾールの増加が、女性ホルモンの分泌パターンに変化をもたらすのです。
また、風邪と戦うために免疫システムが活性化されると、体のエネルギーが免疫反応に集中的に使われ、生殖機能への配分が減少することも知られています。
これは、体が「生存」を「繁殖」より優先する自然な適応反応といえるでしょう。
その結果、生理が早まったり遅れたり、排卵日がずれたりすることがあるのです。
ストレスや強い疲労によって生理が乱れるのと同じように、風邪もまた体にとっては“大きな負荷”の一つとなるのです。
特に、微熱や咳が長引いた風邪は排卵期に影響しやすく、「今回は排卵が遅れました」「基礎体温がガタついています」という声をよく伺います。
漢方では、この状況を「正気(体力)が風邪(ふうじゃ)に負けて、気血の巡りが乱れる」と捉えます。
体力の消耗により気が不足すると、卵巣や子宮へ届けるエネルギーが弱まり、血の巡りが滞ると生理周期が不安定になりやすくなります。
さらに、熱がこもる風邪では陰(うるおい)を消耗し、排卵の質に影響する場合もあります。
もちろん、風邪を引いたからといって毎回生理が乱れるわけではありませんし、個人差もあります。
しかし、妊娠を目指す体は、健康な方以上に“繊細”です。
すでに疲労が蓄積しているとき、睡眠不足や冷えがあるとき、さらに風邪が重なると、体は周期を守りきれなくなることがあります。
風邪をひいた後の体を立て直すために、漢方では、弱った気を補う処方で体力を戻したり、熱のこもりを鎮めたり、
体内のめぐりを整えることで、生理周期の回復をスムーズに導くことができます。
「風邪をひくたびに毎回周期が乱れる」
「毎月のように風邪をひいている」
という方には、ただ風邪の症状の緩和だけでなく、もともとの体質を整える漢方的アプローチがとても効果的で妊娠のためにもメリットが大きい「体づくり」になるのです。
一陽館薬局では、お客さまの今の体調と体質から、ふだんの養生と漢方の整え方を丁寧にお伝えいたします。
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