排卵トラブルへの漢方的対応〜未破裂卵胞〜

子宝漢方を始められて半年が経ったお客さま。
妊娠に向けて、一つひとつ条件が整いつつあります。

初回のご相談時には、ちゃんと排卵するのは3〜4周期に1回くらいのペースと言われていましたが、漢方2周期めからは毎月、自然排卵が確認できるようになりました。

彼女の問題だった未破裂卵胞(LUF)とは、排卵障害のひとつですが、基礎体温やホルモン検査では一見排卵しているかのように見えるため、発見が遅れやすく、気づかないまま妊娠のチャンスを生かすことができないケースも少なくありません。
近年では、排卵誘発剤の使用や子宮内膜症、過剰なストレスなどが背景にあるとされており、不妊治療中の女性に見られる割合も高いと言われています。

排卵のしくみは、卵胞が成熟しながらエストロゲンを分泌し、排卵期になると黄体形成ホルモン(LH)の急上昇によって卵胞が破れて卵子が放出される、というのが通常の流れです。
しかしこの仕組みが乱れ、卵胞が成熟していても破裂せずに黄体化してしまう状態が「未破裂卵胞(LUF)」です。

現代医学においては、未破裂卵胞の診断には超音波での卵胞チェックが不可欠であり、自然排卵の誘導や、排卵誘発剤の使い方を調整することが対応の中心となります。
ただし、薬剤の過剰な使用がLUFを招くリスクもあるため、身体の状態に応じた個別の判断も大切だといわれます。

漢方の視点では、LUFの背景には「瘀血」「気滞」「腎虚」といった体質的偏りが複雑に絡んでいると考えます。

「瘀血」だと、体内の血の巡りが滞り、経血に塊が多い、月経痛が強い、舌の裏の血管が紫色に浮いているといった症状が現れます。
瘀血によって卵胞周囲の微小循環が阻害され、排卵の機転がうまく働かない状態になっていると解釈されます。

「気滞」は、ストレスや情緒の乱れなどによって「気」の流れが滞った状態。
これにより肝気(肝の働きによる気の巡り)が乱れ、排卵のタイミングを調節するリズムが狂ってしまうのです。
排卵は「一気に外へ放出」という動的な現象であり、気の滞りがあるとその勢いが阻まれてしまいます。

卵巣機能と関連が強い「腎」も見逃せません。
腎は漢方で「生殖をつかさどる根本的な力」ととらえ、特に加齢や過労、冷えなどにより腎の力が弱まると、卵胞の成長・成熟・排卵の一連のサイクルに支障が出やすくなります。
腎虚によって卵胞が育ちにくくなるだけでなく、成熟しても排卵の力が足りず、未破裂のまま黄体化してしまうこともあります。

このような観点から、一陽館薬局では基礎体温表や症状の経過を細かく伺いながら、お一人おひとりに対応していくことが可能です。
「排卵する力」を育む土台づくりにおいては、薬による一時的なコントロールではなく、根本から「排卵できる身体」を目指すことが、漢方的なLUF対策になってきます。

ご自身では排卵を調節することはできないことですが、ていねいに生活を見直すと改善すべき余地が見えてきますね。

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