脾・腎・肝が整うと、妊娠しやすくなる理由
「なかなか授からない」と感じながら毎日を過ごしている方に、今日はすこし体の話をお伝えできればと思います。
一陽館薬局では、20年以上にわたる子宝相談の中で、妊娠しにくい状態にある方に共通して見られる体のパターンを見出してきました。
そこで繰り返し注目してきたのが、「脾(ひ)」「腎(じん)」「肝(かん)」という漢方の三つの臓の働きです。
難しく聞こえるかもしれませんが、それぞれの役割と妊娠との関係を、できるだけわかりやすくお伝えします。
「脾」:栄養と血をつくる力の源
漢方でいう「脾」は、西洋医学の脾臓とは異なります。
食べたものを消化・吸収し、体に必要な栄養や血をつくる働き全体を指しています。
妊娠するためには、子宮や卵巣に十分な栄養と血が届いている必要があります。
ところが脾の働きが低下すると、食事からうまく栄養を吸収できなくなり、血が不足しやすくなります。
その結果、子宮内膜が育ちにくくなったり、着床の環境が整いにくくなったりと、妊娠に必要な体の条件が少しずつ崩れていきます。
脾が弱ると、食欲が落ちる、疲れやすい、むくむ、お腹がゆるくなるといった症状も出やすくなります。
「妊娠と直接関係ないのでは」と思われがちなこうした自覚症状やも、実は体全体の妊娠力と深くつながっています。
「腎」:生命力と生殖機能を支える根本
「腎」は、漢方の中で生殖機能と最も深く関わる臓です。
先天的な生命エネルギー(精気)を蓄え、ホルモンの分泌や卵巣の機能、排卵のリズムなど、妊娠の根本を支えています。
腎の働きが弱まると、卵胞がなかなか育たない、排卵のタイミングがずれる、高温期が短くなる、冷えが強くなるといったことが起きやすくなります。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が低い、FSH(卵胞刺激ホルモン)の値が高いといった検査結果が気になっている方も、腎の弱りと関係していることが多いと一陽館では考えています。
加齢とともに腎の働きは自然に低下しますが、睡眠不足や過労、長年の冷えなどの積み重ねによっても腎を消耗させていきます。
「肝」:気と血の流れを整える働き
「肝」は、全身の気(エネルギー)と血の流れを調節する役割を担っています。
ストレスや緊張、疲労の積み重ねによって、最も影響を受けやすい臓でもあります。
肝の働きが乱れると気の巡りが滞り、血の流れも悪くなります。
これが骨盤内の血行不良につながり、子宮や卵巣に栄養が届きにくくなります。
月経前のイライラや胸の張り、月経痛がつらい、経血に塊が混じるといった症状がある方は、肝の不調が関わっていることがよくあります。
不妊治療を長く続けてきた方、結果が出ないことへの焦りやプレッシャーを感じている方は、気づかないうちに肝への負担が積み重なっていることがあります。
実際に一陽館薬局へご相談くださる中で、35歳以降の方や治療歴が6か月以上になる方に、肝の不調が関与しているケースが特に多く見受けられると考えています。
脾・腎・肝は、それぞれが独立して働いているわけではなく、互いに深く影響し合っています。
脾が弱ると血が不足し、肝の血も足りなくなって気の巡りが乱れます。
肝が乱れると脾の消化機能にも影響します。
腎が弱ると体全体のエネルギーが低下し、脾や肝の働きも落ちてきます。
一つが崩れると、他にも波及していく、そういう関係にあります。
”妊娠しにくい状態” というのは、こうした三臓のバランスの崩れが重なった結果として現れていることが多い、というのが私ども一陽館薬局が長年の相談経験から導き出した考え方です。
ただ、三臓のどこが、どれくらい弱っているかは、お一人おひとりで異なります。
体質や年齢、生活環境、これまでの治療の経過によっても、必要なことはずいぶん変わります。
比較的若く体力のある方であれば、腎を補い血流を整えることで自然妊娠に向かうケースもあります。
一方、治療歴が長い方や疲弊が積み重なっている方は、まず肝の回復を優先することが、その後の取り組みをより効果的にすることにつながる場合もあります。
「自分に何が必要か」を丁寧に見極めることが、遠回りのようで、妊娠への確かな道になるという現実をこれまで目の当たりにしてきました。
体の状態を一つひとつていねいに見極め、あなたの状況に合ったアプローチをご提案しています。
「何から始めればいいかわからない」という段階でも、どうかひとりで抱え込まずに、まずお気軽にご相談いただきたいと思います。
妊娠への体づくりに近道はないかもしれません。
でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
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