習慣性流産と着床障害

結果だけ見ればどちらも“うまくいかない“には違いないですが、内容としては異なるのが「着床障害」と「習慣性流産」です。

漢方相談では、「受精はするのに妊娠に至らない」「妊娠反応は出るけれど、いつも途中で止まってしまう」というお声が聞かれます。

その理由としてよく挙げられるのが「着床障害」と「習慣性流産」です。
似ているようで、医学的には異なる概念であり、体づくりに必要なことも異なります。

まず「着床障害」とは、受精卵が子宮内に到達しても、子宮内膜にうまく着床できない状態を指します。
体外受精や胚移植を繰り返しても妊娠に至らない場合に疑われることが多く、医学的には明確な診断基準がないのが現状です。
子宮内膜の厚みや質、血流、慢性子宮内膜炎、ホルモン環境、免疫の影響など、複数の要因が複雑に関与していると考えられています。

一方、「習慣性流産」は、一般的に2回または3回以上の流産を繰り返す状態を指します。
受精・着床は成立しているものの、妊娠を維持できない点が着床障害との大きな違いです。
原因としては、染色体異常、子宮形態異常、内分泌異常(甲状腺や黄体機能など)、免疫・血液凝固異常、加齢による卵子の質の低下などが挙げられます。

ひと言でまとめると、
着床障害は「妊娠が始まらない」、
習慣性流産は「妊娠は始まるが続かない」。
細かな違いにも見えますが、対応としては異なります。

では、漢方的にはどのように捉えるのでしょうか。
漢方では、妊娠・出産を支える根っことなる「腎」を中心に、「血」と「気」の巡り、そして子宮環境の安定性として考えます。
着床障害の場合は、子宮内膜を育てる血の不足や巡りの悪さ、冷え、ストレスによる気の滞りが影響している場合も多く、内膜は十分な厚みがあっても、“受け入れる力”が整っていない状態と捉えます。

習慣性流産では、これに加えて「腎虚」、つまり妊娠を維持するエネルギーの不足が関わることが多く、体力や回復力の低下が目立ちます。
年齢を重ねるほど、この腎の力は自然と低下しやすくなります。

一陽館薬局の妊活漢方では、
「とにかく着床させる」「流産を防ぐ」
というだけでなく、
なぜ着床しにくいのか、なぜ維持できないのか、
その方の体質・経過・治療歴を丁寧に見極め、
血を養い巡らせる、腎を補い支える、冷えや炎症を整える、心身の緊張を緩める、といった視点から体調を整えます。

着床障害も習慣性流産も、「結果」だけを見ると同じ“うまくいかない妊活”に見えますが、決して同じではありません。

焦りや不安を一人で抱え込まず、漢方で解決の糸口を見つけていきましょう。

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