精子の運動率が低い…何を変えたらいい?~今から始める男性妊活~
妊活では、女性が検査を受け、排卵を確認し、ホルモンを調べ、治療の予定を立てる。
気がつけば、身体のことを考えるのも、病院へ行くのも、女性ばかりになっている。
そんなとき、夫の検査で「精子の運動率が低い」と分かることがあります。
「精子の運動率が低かったみたい……」
そう夫に伝えたいと思っても、なかなか言い出せない。
「あなたのほうにも原因があるんじゃない?」
そう言えたら少し楽になるのかもしれない。
でも、夫を責めたいわけではないし、傷つけたくもない。
ただ、自分ばかりが治療の対象になっているような気持ちに、正直、少し疲れてしまう。
でも、男性の側にも戸惑いがあります。
「もしかして、自分にも原因があるのかな」
そう心配していても、素直に口に出せない方もいます。
反対に、「原因が分かったなら、何をすればいい?」と前向きに調べ始める方もいます。
夫婦それぞれに、言葉にしにくい思いがあるのだと思います。
精子の運動率が低いと分かったときに大切なのは、どちらの責任かを決めることではありません。
「今の体の状態を知り、ここから何を変えられるのか」を一緒に考えることが、男性妊活の始まりになります。
精子の「運動率」とは、何を見ているのでしょうか
精液検査では、精子の濃度、運動率、形態などを調べます。
運動率は、精子のうち動いているものがどの程度あるかを見る項目です。
特に、前へ進むように動く精子の割合は、受精に関わる重要な要素になります。
ただ、運動率だけで男性の ”妊娠させる力” を判断することはできません。
医療では、精子の数、運動性、形態などを総合的に評価し、必要に応じて再検査や泌尿器科・男性不妊専門医による診察につなげていきます。
また、精液検査の値は毎回変動します。
「今回、運動率が低かった」という数字を妊娠の可能性ととらえるのではなく、複数回の検査や身体の状態を合わせて考えることも大切です。
精子は、毎日の身体の状態を反映します
精子は、検査を受ける直前につくられるものではありません。
精巣では日々、新しい精子がつくられていて、その形成から成熟までにはおよそ2~3か月の時間がかかるため、今日から始めた生活改善が、明日の精液検査にそのまま反映されるわけではありません。
しかし、今の生活を見直すことは、これからつくられる精子の環境を整えることにつながるともいえます。
男性妊活で大切なのは、「精子に良いものを何か一つ足す」という考え方より、精子がつくられる期間を通して体をいかに良好な環境におけるかということです。
「最近の体」を振り返る
精子の運動率が低かったとき、最近の体調について意識されていましたか?
たとえば、ここ数か月の間に高熱を出していなかったか?
発熱は一時的に精子の形成や運動性に影響することが知られています。
高熱のあとに精液検査の値が悪化し、その後時間をかけて回復するケースもあります。
また、喫煙、飲酒量、体重、運動不足なども、男性の生殖機能に影響する大切な要素です。
特に喫煙は、精子濃度や運動性、形態との関連が報告されています。
飲酒についても、多量の飲酒は男性の生殖機能に好ましくない影響を与える可能性もあります。
「精子のために特別なことをしなければ」と考える前に、まず体に負担をかけている習慣がないかを振り返ってみることから始めるほうが、現実的な男性妊活になるでしょう。
「何を食べるか」より、きちんと食べられているか
男性妊活では、特定の食品やサプリメントが目にとまることもあると思います。
もちろん栄養状態は大切ですが、「これを食べれば運動率が上がる」というような簡単な話ではありません。
食事量が極端に少ない、食事時間が不規則、外食や加工食品に偏っている、仕事が忙しく食事を抜くことが多い。
このような食生活の乱れが続いているなら、まず毎日の食事そのものを整えることを考えましょう。
体をつくるためには、たんぱく質だけでなく、エネルギーやビタミン、ミネラルなども必要ですし、食べたものを体に取り込むためには、胃腸がきちんと働いていることも大切です。
「疲れているだけ」と思っている男性へ
男性のご相談で気になるのが、体の疲れをそのままにしているケースです。
仕事が忙しく、帰宅してからゆっくり休む時間もない。
睡眠時間も十分に取れず、休日も仕事や家の用事で体を休める時間が少ない。
運動したほうがいいと分かっていても、仕事を終えたあとに運動する余裕までは持てない。
それでも、「これくらいは普通だ」「仕事だから仕方がない」と、自分の疲れを後回しにして頑張っている男性もおられます。
妊活を始めるまで、ご自身の体調について細かく考える機会がなかった男性も多いのではないでしょうか。
一陽館薬局では、「疲れやすい」「朝から身体が重い」「食欲がない」「胃腸が弱い」「冷えを感じる」「眠りが浅い」といった日常の体調を伺いながら、その方の体質を考えていきます。
漢方的には、男性の生殖機能を考えるうえで「腎」が重要な概念になります。
腎は成長や発育、生殖に関わる働きを担うと考えられており、年齢や疲労、生活面での体力的な負担なども含めて見ていきます。
また、食事から気血をつくる「脾胃」の働きも重要です。
食べても胃腸がもたれる、食欲が落ちている、疲労が続いているという場合には、まず「体を養う力を整える」ことから考えることがあります。
さらに、仕事や妊活による緊張が続けば、気の巡りに偏りが生じることもあります。
男性も「自分の体調を整える」という妊活を
妊活というと、女性が治療を受けるものという印象が強くなりがちですが、妊娠を希望するご夫婦にとって、男性の体調も大切な要素です。
精液検査で運動率が低いと分かったなら、まず医療機関で必要なチェックを受け、そのうえで、喫煙や飲酒、運動、体重、睡眠、最近の発熱などを振り返り、日々の状態を整えていく。
そこに漢方という選択肢を加えるのも一案です。
奥さまから言われたから仕方なく取り組むのではなく、「自分の体を自分で確認してみよう」と思っていただけたら、男性妊活の意味も少し変わってくるのではないでしょうか。
そして奥さまにとっても、妊活を一人で背負うのではなく、夫婦それぞれがご自身の体と向き合えることは、大きな安心にもつながります。
「精子の運動率が低かった・・・
では、何を変えたらいい?」
そんな疑問を抱えたときは、一人で悩まず、一緒に日ごろの体調や生活習慣を見直すところから始めてみてください。
漢方薬・生薬認定薬剤師 樫谷陽子
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でもあなたにとっての最短ルートはあるはずです。
【子宝漢方と不妊相談の一陽館薬局】
奈良市大宮町6-9-2
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