着床しない理由
時間も費用もストレスも最大級ですが、体外受精では「知る」ことができるメリットがあります。
「卵子の質」や「どの段階で妊娠にたどり着けなくなっているのか」など漠然と不安に思っていることの答えが見つけたいかたには、望みがみたされるかもしれません。
体外受精は、自然妊娠では見えにくい“受精”や“分割”の過程も顕微鏡の中で確認することができるのです。
しかし、知ることができても、きれいに分割した胚を戻しても、着床率は50%にも届かないのが現実です。
なぜなのでしょうか。
この疑問は多くの方が感じていながら、次回こそは!と確率に望みを託しているのではないでしょうか。
着床が成立するには、大きく分けて 「胚側の問題」と「子宮側の問題」、そして「体のバランスの問題」が関わります。
胚の質と遺伝情報の影響、つまり「染色体異常」という事を聞かれたことがあるかと思います。
胚が着床するためには、遺伝子レベルで問題のない正常な染色体構造が必要ですが、体外受精で確認できるのは胚の形や分割スピードであり、見た目がきれいでも、染色体異常がある場合は着床しにくくなります。
特に35歳を過ぎると、卵子の質の低下によって染色体の不一致が増え、胚の成長や着床率に影響が出やすくなります。
受け入れる子宮側の準備も大切です。
子宮内膜の厚さや血流、ホルモン環境が整っていないと、胚が“ここに根を下ろしたい”と思える状態になりません。
慢性子宮内膜炎やポリープ、癒着など、自覚症状がないトラブルが着床の妨げになっていることもあります。
漢方の視点から見ると、着床力は「血流」と「気の巡り」に左右されます。
冷えやストレスで血が滞ると、子宮の隅々まで十分な栄養が届かず、良質な子宮内膜が育たないことがあります。
また、睡眠不足や強い緊張状態は自律神経の乱れを誘発しホルモン分泌にも影響します。
実際、体外受精を何度か繰り返しても着床しなかったけれど、必要な体づくりにより整えることで一度で授かるケースも少なくありません。
「なぜ着床しないのか」という問いに、ひとつの答えだけでたどり着けることは少ないです。
着床成功には、卵・子宮・体質の三つのバランスが重要で1つでも不調だとアンバランスになってしまうのです。
一陽館薬局では、この三つを同時に整えて「受けとめる力」を育てることを大切にしています。
“なぜうまくいかないのか”を知ることは、次の妊娠へのヒントになるかもしれませんが、知ることで満足できるわけではなく、いかに適切な対策をとるかが成功へのきっかけとなります。
私たちは、妊娠して元気に出産を迎えることが“結果“であることを見失ってはならないと思います。
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